予後不良 (競馬)
競馬における予後不良(よごふりょう)とは、主に競走馬が競走中や調教中などに何らかの原因で
主に脚部等に故障を発生させた際など、回復が極めて困難で、薬物を用いた安楽死の処置が適当で
あると診断された状態を言う。
転じて、競走馬への安楽死処置そのものに対する婉曲的表現として用いられる場合も多い。特に、
競走中の骨折等を原因として予後不良に至る場合は「パンク(する)」と表現されてきた。
競走馬の多くを占めるサラブレッドの脚部は骨折、ヒビなどの故障が発生しやすく、「ガラスの脚
」と形容されるほどである。品種によって馬の体重は異なるが、軽種馬であるサラブレッドの場合
でも 400 -
600kg程度となり、静止して立っている状態でも足1本あたり100kg以上の負荷が掛かることになる
。
下肢部に骨折やヒビなどの故障が発生した馬は、その自重を他の健全肢で支えなければならないた
め、過大な負荷から健全肢にも負重性蹄葉炎(ていよう
えん)や蹄叉腐爛(ていしゃふらん、ていさ
ふらん)といった病気を発症する。そのため、病状が悪化すると自力で立つことが不可能となり、
最終的には死へ到る。
治療法としては、下肢部の負荷を和らげるため、胴体をベルトで吊り上げたり、水中による浮力を
利用するためプール等を用いる方法がある。しかし、必要な治療費や治療期間中の飼育費など金銭
面での負担が莫大になり、また、上述した負重性蹄葉炎などの問題から生存率が高くないなどリス
クも大きい。このため大多数の競走馬は予後不良と診断された直後に安楽死の処置が取られ処分さ
れる。
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