1 原理
(1-1)
CODとは有機物質による水質汚濁の指標として湖沼や海域などの停滞水域に使用されている。これは河川にくらべ、湖沼では生物による影響を5日以上によって受けるため、BODでは十分汚濁を評価できないということからCODが採用されている。
(1-2)
過マンガン酸が酸化剤として働く反応
MnO4- + 8H+ + 5e- → Mn2+ + 4H2O
とシュウ酸が還元剤として働く反応
C2O42- → CO2 + 2e-
を組み合わせた酸化還元反応
2MnO4- + 5C2O42- + 16H+ → 2Mn2+ + 10CO2 + 8H2O
O2による水中有機物の分解とは酸素が
O2 + 4H+ + 4e- → 2H2O
の反応により、酸化剤として働き、有機物をCO2へ酸化分解することである。この有機物の酸化分解を酸性溶液中KMnO4が酸化剤として働く反応を用いて行うときにはKMnO4 1molが反応により受け取る電子と同量の酸化反応を酸素を用いて行わせればよい。
MnO4- + 3H+ → Mn2+ + 3/2H2O + 5/4O2
となる。すなわち、KMnO4-1mol は酸素5/4 molすなわち5/4×32g=40gと同等の酸化反応を行う。
(1-3)
マスキング剤
Cl-は自然環境中では汚染物質ではないが、Cl-の妨害を防ぐため酸化反応の前にAg+を加えておくことでAgCl沈殿を生成させ、溶液中のCl-を除去しておく。
(1-4)
過マンガン酸カリウムとシュウ酸ナトリウムの酸化還元反応は、硫酸酸性下で以下の式のように進行する。
2MnO4- + 16H+ + 5C2O42- → 5Mn22+ + 8H2O + 10CO2
この反応において褐色のMnO4-から無色のMn2+への色の変化を利用して規定を行う。上式の反応において、当量点に達したあと、さらに過マンガン酸カリウム溶液を加えると溶液が薄ピンク色に着色するので、そこを滴定の終点する。2)
2 目的
COD法を用いて水の汚れを分析する。
3 実験操作
(実験1)
300ml三角フラスコ3個
それぞれに試料水50mlとる。
純水で100mlとする。
6M硫酸10ml、硫酸銀粉末1gを加える。
パラフィルムをかけて激しくふり混ぜる。
数分間放置する。
5mM過マンガン酸カリウム溶液を10ml加える。
アルミホイルでふたをし、沸騰水浴中に30分間加熱する。
フラスコを水浴中から取り出し、直ちに12.5mMシュウ酸ナトリウム溶液10mlを加えて混ぜる。
液温を60-80℃に保ちながら、5mM過マンガン酸カリウム溶液で滴定し、微紅色が30秒以上保つところを終点とする。
別に純水100mlから試験値をとり、上記と同じ操作を行って空試験値とする。
(実験2)
CODMnの値(mgO/l)は次式により、算出される。
CODMn={(試料の滴定に要したKMnO4溶液の体積(ml))-(空試験値で滴定に要したKMnO4溶液の体積(ml))}×{40×(KMnO4溶液のモル濃度)}×{1000/(試料水の体積{ml}
(設問)
CODMnの定義に基づいて、上の式が成り立つことを示せ。
KMnO4-1mol は酸素5/4 molすなわち5/4×32g=40gと同等の酸化反応を行う。
4 実験結果
図 水浴前
図 水浴中
このとき、三角フラスコの底は、完全に水浴の底についていた。3回目から、ムッフで固定するようにした。
図 水浴後
図 滴定後
1 原理
(1-1)
CODとは有機物質による水質汚濁の指標として湖沼や海域などの停滞水域に使用されている。これは河川にくらべ、湖沼では生物による影響を5日以上によって受けるため、BODでは十分汚濁を評価できないということからCODが採用されている。
(1-2)
過マンガン酸が酸化剤として働く反応
MnO4- + 8H+ + 5e- → Mn2+ + 4H2O
とシュウ酸が還元剤として働く反応
C2O42- → CO2 + 2e-
を組み合わせた酸化還元反応
2MnO4- + 5C2O42- + 16H+ → 2Mn2+ + 10CO2 + 8H2O
O2による水中有機物の分解とは酸素が
O2 + 4H+ + 4e- → 2H2O
の反応により、酸化剤として働き、有機物をCO2へ酸化分解することである。この有機物の酸化分解を酸性溶液中KMnO4が酸化剤として働く反応を用いて行うときにはKMnO4 1molが反応により受け取る電子と同量の酸化反応を酸素を用いて行わせればよい。
MnO4- + 3H+ → Mn2+ + 3/2H2O + 5/4O2
となる。すなわち、KMnO4...