日本国憲法 2024年 佛教大学通信 受理
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課題 法の下の平等について
近代憲法における人権は、すべての人間が生まれながらにして固有の、奪うことのできない権利をもつという考え方に立っている。この思想による人権宣言は、個人主義、自由主義のうえに立ち、国家権力からの自由を中心におくものであった。そして、19世紀に自由放任を基礎とする資本制社会が発展した。しかし、資本主義が高度化すると、自由競争は貧困と失業を生みだす原因となり、人権保障は新しい転回を余儀なくされ、20世紀の西欧自由国家の憲法では、多かれ少なかれ、自由権に加えて社会権をも保障し、資本主義体制の修正に即応している。
これまでの人権保障の歴史を概観すると、いくつかの注目すべき点がある。それは、「新しい人権が憲法の解釈運用を通じて登場している」・「人権と人権との衝突をどう調整するかという問題が多く生まれている」・「人権を法的に救済する努力が重ねられてきている」・「国際的にも人権保障が強化されている」・「人権保障の国際化によって、先進自由国と開発途上国との間に摩擦が生じている」というような点である。これらから、現代の人権という概念は様々な方向に質的・量的に拡大し、それと同...