新産業に向けた環境整備の方向性
~リエゾンオフィス~
【リエゾンオフィスチーム】
森西 勇太
橋本 夏来
寺田 直樹
【目次】
Ⅰ、 リエゾンオフィスの定義
Ⅱ、 大学の産学連携の取り組み状況
Ⅲ、 トップ大学、立命館大学のリエゾンオフィス
Ⅳ、 事例から考えるリエゾンオフィスの問題点とその解決法
Ⅴ、 これからのリエゾンオフィスとは
Ⅰ、 リエゾンオフィスの定義
リエゾンオフィスとは、企業ニーズと、技術シーズのマッチングを行い、産学連携による技術移転等を実現させる組織である。つまり、産学連携を推進する企業等と大学を連結する仲介機関の役割を果たし、産、官、学を結ぶ。
下の図は、リエゾンオフィスの位置イメージを示した図である。リエゾンオフィスは産業界と大学の産学連携がスムーズに進むように、大学の産学連携の窓口となる。(大学によっては、リエゾンオフィスのことをイノベーションセンターやリサーチオフィスと違った名称をつけ設置している場合もある。)
a) リエゾンオフィスの目的
リエゾンオフィスの目的は大きく4つに分かれている。第一に、最も大きな目標として掲げられているのは、社会貢献である。これは新しい技術・産業の創出を図り、社会に貢献していくということである。第二に、研究の活性化であり、産業界に接することで、現場の経験を研究にフィードバックできるということである。第三は教育であり学生を社会に参加させることによって学生を成長させるということである。最後に、研究資金追求というビジネス的な目的がある。
b) リエゾンオフィスの業務内容
業務内容は大学によって様々なものがあるが、概ね以下の通りにまとめた。
共同研究‥民間企業から共同研究員を受け入れて共同で研究
受託研究‥民間企業から委託を受けて研究
奨学寄附金‥学術研究や教育の充実などを目的とした企業等からの大学への寄付
技術相談‥課題となる技術が何であるか等を企業側から相談を受ける
大学の研究装置のレンタル‥大学内に設置されている実験室、研究装備を企業に貸し出す
他機関との連携‥自治体や地域等と連携する
講演会の開催‥フォーラムや講演会等を開催し、異業種交流の場をつくる
c) リエゾンオフィスの有無
リエゾンオフィスの設置状況を下の図に示す。近畿の96大学のうち、リエゾンに相当する窓口があると答えた大学は、50大学にのぼり、全体の52.1%を占めている。国立・私立別に見ると、国立大学の窓口保有率が77.8%と高いのに対し・私立大学は42.0%にとどまっている。これは、私立大学が小規模な単科大学が多く含まれているといった構造上の要因が一つある。また、国立大学は昭和62年から産業界等の連携窓口として、共同研究センター整備が進められてきたことも大きいと考えられる。
Ⅱ、 大学の産学連携の取り組み状況
特許出願件数実績(H15) 特許出願件数実績(H16) 共同研究・受託研究件数実績 (H16) No 大学名 件数 No 大学名 件数 No 大学名 件数 1 日本大学 236 1 東北大学 313 1 東京大学 1,595 2 慶應義塾大学 171 2 京都大学 296 2 京都大学 985 3 京都大学 131 3 日本医科大学 266 3 大阪大学 895 4 奈良先端科学技術大学院大学 113 4 慶應義塾大学 252 4
新産業に向けた環境整備の方向性
~リエゾンオフィス~
【リエゾンオフィスチーム】
森西 勇太
橋本 夏来
寺田 直樹
【目次】
Ⅰ、 リエゾンオフィスの定義
Ⅱ、 大学の産学連携の取り組み状況
Ⅲ、 トップ大学、立命館大学のリエゾンオフィス
Ⅳ、 事例から考えるリエゾンオフィスの問題点とその解決法
Ⅴ、 これからのリエゾンオフィスとは
Ⅰ、 リエゾンオフィスの定義
リエゾンオフィスとは、企業ニーズと、技術シーズのマッチングを行い、産学連携による技術移転等を実現させる組織である。つまり、産学連携を推進する企業等と大学を連結する仲介機関の役割を果たし、産、官、学を結ぶ。
下の図は、リエゾンオフィスの位置イメージを示した図である。リエゾンオフィスは産業界と大学の産学連携がスムーズに進むように、大学の産学連携の窓口となる。(大学によっては、リエゾンオフィスのことをイノベーションセンターやリサーチオフィスと違った名称をつけ設置している場合もある。)
a) リエゾンオフィスの目的
リエゾンオフィスの目的は大きく4つに分かれている。第一に、最も大きな目標として...