日大通信 国文学講義Ⅵ(現代) 課題1

閲覧数1,078
ダウンロード数0
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員990円 | 非会員1,188円

    資料紹介

    日本大学通信教育部
    2019~2022年度 リポート課題集

    次の2問すべてについて答えなさい。
    ①日本における「戦争文学」 (戦前 ・ 戦中 ・ 戦後を含む)の流れについて、テキストの内容を踏まえて整理し
    なさい。
    ②「戦争」を扱った文学作品(転向文学、従軍文学、
    銃後文学、歴史小説、原爆文学等多岐にわたる)を1
    つ取り上げて、その感想を述べなさい。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    昭和初期の文学界では、大正期からの流行であったプロレタリア文学運動の全
    盛期であった。プロレタリア文学とは、社会主義・共産主義への転向を目指す、
    革命的立場から描いた文学である。プロレタリア文学の傑作と名高い作品が小林
    多喜二の「蟹工船」、葉山嘉樹の『海に生くる人々』、徳永直の『太陽のない街』
    などである。
    昭和 6 年に満州事変が起こるが、文壇はこれには無関心であった。時代は資
    本主義の行き詰まりにあり、彼らは戦争よりもマルキシズム的思想による当局へ
    の対決のほうに関心が傾いていたのである。
    そんな中で反プロレタリアを提唱する者もいた。東大在学中の保田与重郎を中
    心とした「コギト」である。彼らは、時代に流されない芸術主義的な姿勢を守ろ
    うとし、日本古典文芸の復興を訴えたのである。
    しかし、その矢先の新たな事変の勃発によって、世論では政府の批判勢力は弾
    圧され、モダニズムの声とは無関係に、プロレタリア文学運動は自ら衰退してい
    くのであった。
    もう一つの反リアリズムの動きとして注目されるのは転向文学である。この場
    合における転向とは、共産主義者たちがその信条を放棄していったことを...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。