子ども虐待について
Ⅰ テーマ設定の理由
ここ数年、子どもに対する虐待の事件が毎日のように報道されている。しかし、テレビや新聞などで報道されている虐待事件は氷山の一角であり、中には虐待が誰にも発覚していない事例も多いと思う。そこで、私はどうして虐待が起きるのか、また現在の虐待問題の実態はどうなっているのかといったことに関心を持つようになり、このテーマを扱うことに決めた。
Ⅱ 調査・研究の目的、範囲
上述したように、虐待の起きる背景や虐待問題の実態を明らかにすることで、その背景や虐待への対策について考えてみようと思う。また虐待問題に対して、教育の果たすことのできる役割についても考えみる。虐待問題については、その認識の歴史や諸外国との比較について考えることも重要だが、今回は虐待の起きる背景や虐待問題の実態、その対策を中心に調べることにする。
Ⅲ 目次
1,子ども虐待とは
2,子ども虐待の現状
3,子ども虐待の背景
4,子ども虐待への対策
5,まとめ
1 子ども虐待とは
1)虐待の定義について
まず子ども虐待の定義について、1999年5月17日に成立した「児童虐待の防止等に関する法律」(以下「児童虐待防止法」)によると以下の通りである。
第2条 この法律において、「児童虐待」とは保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護する者をいう。以下同じ。)がその監護する児童(18歳に満たない者をいう。以下同じ。)に対し、次に掲げる行為をすることをいう。
1 児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある行為を加えることをいう。
2 児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。
3 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置その他の
保護者としての監護を著しく怠ること。
4 児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。
この法律では、虐待を「保護者」による行為としているが、親に限定されるのではなく、子どもを保護・監護している者(例えば、子どもの母親と内縁関係にあり同居している者や児童福祉施設の長など)も含む。
2)虐待のタイプ
虐待のタイプは児童虐待防止法にあるように、大きく4つに分類される。
身体的虐待(生命・健康に危険のある身体的な暴行)
外傷としては打撲傷、あざ、骨折、たばこによる火傷など。
生命に危険のある暴行とは首を絞める、殴る、蹴る、投げ落とす、食事を与えない、一室に拘束するなど。
性的虐待(性交、性的暴行、性的行為の強要)
子どもへの性交、性的暴行、性的行為の強要・教唆など。
ポルノグラフィーの被写体に子どもを強要するなど。
ネグレクト(保護の怠慢や拒否により健康状態や安全を損なう行為)
家に閉じこめる、重大な病気にかかっても病院に連れて行かない、乳幼児を車の
中に放置する、子どもを遺棄するなど。
子どもにとって必要な情緒的欲求に応えてあげない(愛情遮断など)。
適切な食事を与えない、極端に不潔な環境の中で生活させるなど。
心理的虐待(暴言や差別など心理的外傷を与える行為)
ことばによる脅かし、脅迫、心を傷つけるようなことなど。
子どもを無視したり、拒否的な態度を示すことなど。
他のきょうだいとは著しく差別的な扱いをすること。
このように様々
子ども虐待について
Ⅰ テーマ設定の理由
ここ数年、子どもに対する虐待の事件が毎日のように報道されている。しかし、テレビや新聞などで報道されている虐待事件は氷山の一角であり、中には虐待が誰にも発覚していない事例も多いと思う。そこで、私はどうして虐待が起きるのか、また現在の虐待問題の実態はどうなっているのかといったことに関心を持つようになり、このテーマを扱うことに決めた。
Ⅱ 調査・研究の目的、範囲
上述したように、虐待の起きる背景や虐待問題の実態を明らかにすることで、その背景や虐待への対策について考えてみようと思う。また虐待問題に対して、教育の果たすことのできる役割についても考えみる。虐待問題については、その認識の歴史や諸外国との比較について考えることも重要だが、今回は虐待の起きる背景や虐待問題の実態、その対策を中心に調べることにする。
Ⅲ 目次
1,子ども虐待とは
2,子ども虐待の現状
3,子ども虐待の背景
4,子ども虐待への対策
5,まとめ
1 子ども虐待とは
1)虐待の定義について
まず子ども虐待の定義について、1999年5月17日に成立した「児童虐待の防止等に関する法律」(以下...