目的
企業の開発や販売者は常に消費者の要求を満たさなければならない。そのため、消費者が何を望み、何を好むのかを的確に判断する方法が必要になってくる。そこで、消費者が様々な概念に対しどのような評価をするのかを判断する方法が必要となってくる。その判断の方法の一つとして生まれたのがセマンティック・ディファレンシャル法である。
セマンティック・ディファレンシャル法は、多種多様な概念の内包的・情緒的な意味の相互の違いや関係を客観的・定量的に記述し、表現するために工夫した方法である。その手続きは、多数の形容詞対による評定尺度を用いて、諸概念を評定するものである。したがって、形式上は多尺度評定法とも言える。概念を多くの尺度で評定することは、その概念を、各尺度を座標軸とする多次元空間に位置づけることと同様であり、それはあたかも、物体を高さ・幅・長さの各次元を座標軸とする3次元空間内に位置づけることと同様である。この意味で、概念を位置づける多次元空間を意味空間と呼んでいる。今回の実験のデータ構造は、尺度×概念×被験者の3次元構造とした。
最近では、この方法は言語のシンボル空間の研究の他に、色・形・音などの感覚刺激の感情効果や人物・団体・商品などのイメージの測定などにも広く用いられている。Ozgoodらの研究によれば、意味空間を構成し、意味を記述するために用いられる形容詞の対は、数個の基本的な尺度に整理でき、その最も重要なのは次の3種類である。1つ目は評価で、「よい-わるい」に代表される。2つ目は力量で、「大きい-小さい」で代表される。3つ目は活動で「速い-遅い」で代表される。
今回の実験では、多数の形容詞を用いて、適当に選ばれた対象物のイメージを評定した。そのためにその後、評定結果に基づいて形容詞対を整理し、上記の評価・力量・活動の基本尺度が見出せるかどうかを検討した。対象物として、我が班では色を選んだ。色に対する印象は人それぞれであり、同様である部分と異なっている部分が大いに見られると考えたことが色を選んだ理由である。寒色、暖色などのように一般にもたれている色に対するステレオタイプがある一方で、役に立つかどうかなどのように人によって基準が分かれるとも言える。そのため、基本尺度が見出せるかどうかを検討する事とした。なおここでは、イメージとは、対象物からうける印象や概念からうける印象や過去から現在にわたる経験の漠然とした全体を指す。
方法
被験者
19歳から30歳までの色の識別に問題のない大学生50名に協力いただいた。男20名、女30名を被験者とした。
目的
企業の開発や販売者は常に消費者の要求を満たさなければならない。そのため、消費者が何を望み、何を好むのかを的確に判断する方法が必要になってくる。そこで、消費者が様々な概念に対しどのような評価をするのかを判断する方法が必要となってくる。その判断の方法の一つとして生まれたのがセマンティック・ディファレンシャル法である。
セマンティック・ディファレンシャル法は、多種多様な概念の内包的・情緒的な意味の相互の違いや関係を客観的・定量的に記述し、表現するために工夫した方法である。その手続きは、多数の形容詞対による評定尺度を用いて、諸概念を評定するものである。したがって、形式上は多尺度評定法とも言える。概念を多くの尺度で評定することは、その概念を、各尺度を座標軸とする多次元空間に位置づけることと同様であり、それはあたかも、物体を高さ・幅・長さの各次元を座標軸とする3次元空間内に位置づけることと同様である。この意味で、概念を位置づける多次元空間を意味空間と呼んでいる。今回の実験のデータ構造は、尺度×概念×被験者の3次元構造とした。
最近で...