機械システム工学輪講 英語論文要約 2007 年 7 月 28 日
Author:Bengt Jacobson , Michael Spickenreuther
Journal:International Journal of Vehicle Design 2003 - Vol. 32, No.3/4 pp. 187 - 207
車両における動力伝達機構の自動化が進んでいる.AMT (automated manual (non-
powershifting) transmissions)に組み込まれるギアシフトシーケンスは、ギアをいつどのギ
アにシフトするかを定めたものである. AMT を用いることで環境・車両性能の向上が期
待できるが,大型トラック等におけるギアシフトシーケンスは確立されていない.
本論文では,任意の車両及び運転状況に対して最適なギアシフトシーケンスを決定する
ツール(プログラム)を提案している.また開発したツールを用いて以下の事例を最適化
し,その有効性を示している.
•
上り坂における加速時
•
トルクダウン時
なお,最適化評価基準には最小加速時間を用いている.
本論分で提唱するツールは動的計画法 (dynamic programming)と呼ばれる軌道最適化
法 (trajectory sation)に基づいている.費用関数(cost function)は Silinkでのシミュレー
ションに使っている.本研究で開発したツールを測定結果と比較しその実用性を示して
いる.
1.1 研究背景
燃費及び操作性向上のため,乗用車では多くのギアを固定ステップトランスミッション
(fixed-step transmissions)に組み込んでいる.一方大型トラックは 6 個~12 個までのギ
アを有するものが多い.運転性能向上し,状況に則したギアの選定を確実に行うため,こ
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機械システム工学輪講 英語論文要約 2007 年 7 月 28 日
れらのギアボックスは自動化されるようになってきている.このようなトランスミッショ
ンは AMT(an Automated Manual Transmission)や CAG(transmission with Computer
Aided Gearshifting)と呼ばれている.このとき,ハードだけでなく制御ソフトも重要とな
る.制御ソフトはいつ,どのギアにシフトするかを決定するものである.与えられたハー
ドと最適化評価基準(燃費や加速等)に対して,各ギアには瞬間的に最適な駆動条件があ
る.例えば加速を評価基準にしたとき,20m/sでの走行には 11 速ギアが最適なことがわ
かる( Fig.1).しかし時間やギアシフトの移行を考慮したときは,それほど単純ではな
くなる.15m/sから 25m/sまでの加速を考えたとき,11 速のギアにをいれる価値は低く,
恐らく 10 速から直接 12 速にいれた方が効率が高いと思われる.
パラメータ最適化(parameter sation) に対して,時間を考慮した最適化は軌道最適化
(trajectory sation)と呼ばれている.軌道最適化を適用した最適ギアシーケンスを見つけ
ることは,車両にとって重要と言えるだろう.車両における他の軌道最適化問題としては
トラクションコントロールなどがある ( [Karlsson 2001] , [Andersson 2001] , [Tate 2000] ,
[Hemmingsson 1999] ).
製品開発では
機械システム工学輪講 英語論文要約 2007 年 7 月 28 日
Author:Bengt Jacobson , Michael Spickenreuther
Journal:International Journal of Vehicle Design 2003 - Vol. 32, No.3/4 pp. 187 - 207
車両における動力伝達機構の自動化が進んでいる.AMT (automated manual (non-
powershifting) transmissions)に組み込まれるギアシフトシーケンスは、ギアをいつどのギ
アにシフトするかを定めたものである. AMT を用いることで環境・車両性能の向上が期
待できるが,大型トラック等におけるギアシフトシーケンスは確立されていない.
本論文では,任意の車両及び運転状況に対して最適なギアシフトシーケンスを決定する
ツール(プログラム)を提案している.また開発したツールを用いて以下の事例を最適化
し,その有効性を示している.
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上り坂における加速時
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トルクダウン時
なお,最適化評価基準には最小加速時間を用いている.
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