今回の知識の泉は平仮名についてです。
日本語は中国語と違い、漢字と仮名を混用させて語の切れ目を表示するため、かつては漢字の発音だけを借りて別の語を書き表す方法をとっていました。これを仮借といいます。その仮借が定着してきて、万葉仮名が出来上がりました。万葉仮名とは万葉集の中に使用されている文字のことです。万葉集は七世紀後半から八世紀後半頃にかけて編まれた、日本に現存する最古の歌集です。四五〇〇首以上も収められており、全文が漢字で書かれていて漢文の体裁をなしています。しかし歌は日本語の語順で書かれていて、その時に使用していたのが万葉仮名でした。その万葉仮名が平安初期、極端に字形を簡略化して使用され...