「赤毛のアン」
作:L,M,Montgomery
訳:松本 侑子
集英社文庫 1993年
わたしたちの世代でも知っている人が多いこの「赤毛のアン」は、1908年にカナダで出版された名作である。なぜ、今現在までも名作と語り継がれているのだろうか。それほど人を魅せつける何かがあるのか。
主人公のアンという少女は、まずやんちゃで、口が達者で、自分へのコンプレックスが強くて、ロマンチストな女の子である。
しかし、ただのおてんば娘、と言い表せないような部分がある。子供なのに大人と思わせるような、何かだ。
それは、機転の利く発想力と言葉遣いだ。
アンの発想力は『トム・ソーヤ』と同じ...