西洋社会文化論合格済み科目最終試験答案です。試験対策にお役立てください。92点でした。
西洋社会文化論科目最終試験
1. 服飾史の成り立ちを概観しなさい。
服飾史は人文科学の1つの領域として理解されることはなかなか進まなかった。イギリスの服飾史家
ルー・テイラーによると、それは背景に服飾史を女のやることとするジェンダー・バイアスがあったか
らだと指摘している。織物生産の経済的側面については男の学者によって行われてきたにも関わらず、
生産された布を使った服飾品となれば、それは女性の関心事であり、男性のやるべきことではなくなる。
需要・供給・消費のメカニズムを知るにはファッションは恰好の素材であるのに、ファッションを女の
ものとする観念は、衣服の歴史を学問の対象から外してきたのである。また、服飾史を学問として躊躇
させるのに、着衣という行為を日常の卑近なことと考えることもある。風俗画か絵画の序列の中で下位
に置かれてきた歴史と似ているともいえる。
しかしながら、19世紀になると工業化が進み、本格的な市民社会が到来する中で、フランスの作家
たちが作品の中でも実生活にあっても服飾に多大な関心を持ち始める。市民社会と消費文化によって実
現した服装の自由化は、個人の数だけ多様な...