講評
前半部分の限界代替率の概念(無差別曲線の各店の接線の傾き)、すなわちX財単位がY財に換算すると何単位の価値になるかを理解すれば、より良いレポートになると思う。後半部分は、とてもしっかりかけている。下級財で、代替効果<所得効果の場合が、例外的にギッフェン財になる(需要曲線が右上がりとなる)ことまでかければ、さらに良かった(図を別紙に書けばかけたかも)と思う。
1
消費者の効用最大化の条件を、無差別曲線と予算制約線の概念を用いて説明し、それを用いながら需要曲線が(ギッフェン財のケースを除き)右下がりになることを代替効果と所得効果の用語を使用して解説する。
まず、無差別曲線と予算制約線の概念について説明する。無差別とは、複数の財が存在し、それらの効用(満足度)が等しいため消費者は様々な組み合わせを選択することを示す。これらの座標点の軌跡を無差別曲線という。この曲線の性質は1,右下がり2,交わらない3,原点から離れているほど効用が高い4,原点に対して凸になる、の4つである。1は、効用逓減の法則(ひとつの財の一定量を超えて需要すると、その財の効用が徐々に減少する)により、限界代替率(x/y)が変動するからである。2は、ふたつの無差別曲線における交点は効用が一致しているため、同一曲線上にない座標においても、効用が一致していなければならないが、効用が一致している交点は元の交点以外に存在しない。3は、ある財の組み合わせを基準とした場合、x財(y財)あるいはx財y財の両財が増加した際に効用はプラスになるため、基準とする座標よりも右上に位置する座標点の方が効...