慶応義塾大学 通信教育課程 経済学部
19年度 会計学 合格レポートです。
課題:期間損益計算と発生主義を特徴とする近代会計の成立について、とりわけ株式会社という企業形態の形成プロセスとの関係において歴史的に論じなさい。
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19 会計学
期間損益計算と発生主義を特徴とする近代会計の成立について、とりわけ株式会社と
いう企業形態の形成プロセスとの関係において歴史的に論じなさい。
株式会社における近代会計制度、特に期間損益計算と発生主義における減価償却制度
はどのようにして生まれたのか。以下に論じる。
・複式簿記の起源
複式簿記は当初、イタリア式貸借簿記と呼ばれ、今日ではあらゆる活動領域にも適
用されているが、複式簿記が、いつどこで、誰によって発明されたかは今なお不明確
である。しかし、歴史的には 2 つの説に大別されている。
一つは、古代ローマ時代の奴隷簿記に起源を見出そうとするもので、その代表的な
見解として、マレイとカッソの所説がある。ただし、こちらは少数派である。
もう一つは、イタリア起源説がある。商業の復活以来、地中海貿易を中心として、
資本主義経済への発展を辿ってきた中世紀末から近代初頭にかけてのイタリアの経済
的発展のうちに、時代の要請に基づいて生成発展してきたという考えで、多くの人々
はこの立場をとっている。
・簿記の発展
複式簿記は 13 世紀初頭から 14 世紀末まで...