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日本における都市の特徴は「歴史的重層性」を有していることであるという。ま た,それ故に現代において歴史的景観がみられる都市の保全をいかに行うべきかに ついて法規制を含めて論議されている。そこで日本における大都市の発展過程につ いて整理するとともに,歴史的景観保持の施策・方法について具体的事例(教科書 以外の都市)を挙げて説明しなさい。 〈教科書以外の参考文献を複数呈示することがレポート提出の条件である。なおネッ ト検索は不可。〉
参考文献:「都市問題、第107巻、第6号」、「I-Bまちづくり、vol.4」、「逐条解説 景観法」
日本の都市の特徴は「歴史的重層性」を有するといわれ、過去の都市の位置と重複する
ように現代都市が形成されている。歴史的中心地の萌芽と、その後の中心性の変容は、現
代における都市化状況が大きく影響するが、一旦位置が決定すると新たな変容を引き起こ
す力が生じても、容易にその位置は移動しない。これを「歴史的慣性」として捉え、日本
の都市の構造的な特色を形成する要因と考えることが出来る。
歴史核(旧核)は、いかなる都市にも存在するが、近代の都市化によって、その都市特
有の変容を遂げてきた。特に旧核と離れた地点に新たな核心地(新核)が形成されると、
旧核との間に激しい競合が生じ、その結果、旧核が新核に吸収された単核構造、または両
核心地が個別の後背地をもつ複核構造を示したりする。
現代都市の基盤は、近世城下町にあると考えられており、安土桃山時代以後は、都市と
農村に明らかな区分が現れてきたといわれる。この時期には、市街地の配置にも計画性が
みえ、町の発達が始まった。城郭を中心に、その周辺が武家屋敷、更にその外側に町人地
区・中央商店街等があった。
明治期になると城下町も変化していった。鉄道...