1.表題 分子生物学 基礎実験 そのⅠ
2.目的
細菌やカビがもつ、染色体とは独立に自己複製を行う核外遺伝子であるプラスミド。このプラスミドについて今回の実験では、プラスミドベクターと外来遺伝子を挿入したプラスミドベクターを用いて形質転換の実験とプラスミド調製の実験を通して形質転換とプラスミド調製の原理を知る。制限酵素で調製したDNAを切断し、アガロースゲル電気泳動で目的DNA断片(外来遺伝子)を確認する実験を通して制限酵素の意義を理解し、アガロースゲル電気泳動の原理を知る。
3.材料と方法
Ⅰ.形質転換
材料:LB培地、アンピシリン(Amp)、0.1M塩化カルシウム、SOC培地、
X-gal(β―ガラクトシダーゼにより分解され青色に発色)、
IPTG(lacリプレッサーに結合し、LacZプロモーターからのLacZの転写を誘導するオペロンにおける誘導体として機能する。代謝によって分解されないので、ラクトースの代わりに使用する)
pUC19(α断片をコードする遺伝子の途中にMCSがあり、このMCSの向きがpUC18とは逆になっている。Amp耐性遺伝子を持つ)
pUC(3HBDH)19(pUC19に3HBDHという挿入遺伝子[インサートDNA]が存在する)
JM109(α相補性が可能な宿主大腸菌。対数増殖期の初期ではOD₆₀₀=0.540である)
装置:高速遠心機、50ml遠心チューブ、1.5mlエッペンチューブ、インキュベータ
恒温水槽、卓上クリーンブース、ガスバーナー、マイクロピペット、チップ、
ボルテックスミキサー
A)塩化カルシウム法(無菌実験であった)
①37℃で16-20時間培養(前培養)しておいたプレートより単一コロニー
(直径2-3mm)をとる。
②50ml遠心チューブに入った15mlLB培地に300μℓ前培養した大腸菌を植え継ぎ、これを37℃で2時間位、OD₆₀₀が0.4~0.8になるまで振とう培養する。
③培養液を50ml遠心チューブに移し、0℃になるまで氷上で10分間冷却する。
→ここまでは用意されていた。
④4000rpm、4℃で10分間遠心した。
⑤卓上クリーンブース内でコニカルビーカー上清を捨てた。この際クリーンブース
内に持ち込む器具は70%エタノールで拭いた。50ml遠心チューブの蓋は火で炙った(滅菌処理)。
⑥DNAの細胞膜表面への吸着を引き起こすため冷0.1M塩化カルシウムを1.5ml
(750μℓ×2 )加え、静かに攪拌してペレットを溶かした。氷上で15分間放置した。
⑦4000rpm、4℃で10分間遠心した。
⑧卓上クリーンブース内でコニカルビーカー上清を捨てた。1分間乾燥した。
⑨冷0.1M塩化カルシウムを0.6ml (600μℓ×1 )加え、静かに攪拌してペレットを溶かした。
→コンピテントセル作製
⑩ピペットチップを使い、塩化カルシウムでのコンピテントセルをエッペンチューブに50μℓずつ分注した。(ピペットチップ、エッペンチューブは滅菌してあるものを使った)ここに、プラスミドDNA溶液を静かに加えた。(下表参照)氷中でチューブをかき回す程度に混合した。そのまま氷上で30分間放置した。
コンピテントセル50μl コンピテントセル50μl コンピテントセル50μl プラスミドDNAは何も入れない pUC19 50μl/mlを5μl pUC(3HBDH)19 50μl/mlを5μl 上記二つを混ぜる 上記二つを混ぜる 上記二つを混ぜる ⑪ヒートショックで細胞内にDNAを入れるため4
1.表題 分子生物学 基礎実験 そのⅠ
2.目的
細菌やカビがもつ、染色体とは独立に自己複製を行う核外遺伝子であるプラスミド。このプラスミドについて今回の実験では、プラスミドベクターと外来遺伝子を挿入したプラスミドベクターを用いて形質転換の実験とプラスミド調製の実験を通して形質転換とプラスミド調製の原理を知る。制限酵素で調製したDNAを切断し、アガロースゲル電気泳動で目的DNA断片(外来遺伝子)を確認する実験を通して制限酵素の意義を理解し、アガロースゲル電気泳動の原理を知る。
3.材料と方法
Ⅰ.形質転換
材料:LB培地、アンピシリン(Amp)、0.1M塩化カルシウム、SOC培地、
X-gal(β―ガラクトシダーゼにより分解され青色に発色)、
IPTG(lacリプレッサーに結合し、LacZプロモーターからのLacZの転写を誘導するオペロンにおける誘導体として機能する。代謝によって分解されないので、ラクトースの代わりに使用する)
pUC19(α断片をコードする遺伝子の途中にMCSがあり、このMCSの向きがpUC18とは逆になっている。Amp耐性遺伝子を持つ)
pUC(3HBDH)19(p...