英米文学1 (1単位目)
1語群A:明白な天命
「明白な天命」とは、拡張主義のモットーで、急進派の政治的、文学的グループ「若き
アメリカ運動」の活動家ジョン・オサリバンの造語である。「毎年のように増大する何百万
という国民の果てしない発展のために、神によってあてがわれたこの大陸を膨張させるの
は明白な天命」なのであった。この超自然派論理の下、白人の利己的な拡張主義が正当化
され、自然の無差別な破壊が進み、インディアンやメキシコ系先住民たちは、暴力的に駆
逐されていった。
ピューリタニズムの発端は、宗教改革時代の16世紀英国までさかのぼる。ヘンリー八
世の治下、王の設立した英国国教会がカトリック的であるとして、いっそうのプロテスタ
ント化を求め、「浄化する」ことを唱えた人がピューリタンと呼ばれた。
大航海時代には、アメリカ大陸が理想郷として人々の夢を掻き立てた。「アメリカの夢」
とは、17世紀以降に大挙して渡来した移民たちが、旧世界の封建制による政治的、経済
的、宗教的圧迫の下では果たせなかった理想や願望を実現しようとした、自由・平等・機
会均等などの理念の総称であり、その個々の...