「機関投資家の投資行動と個人の資産選択のあり方」
<目次>
序章 2
第一章 個人の資産選択の動向 3
第一節 個人の資産選択が見直される背景 3
第二節 家計の金融資産の現状 4
第三節 個人の投資行動の多様性 7
第二章 機関投資家とは 8
第一節 機関投資家の定義 8
第二節 機関投資家の役割 9
第三節 年金基金の投資行動 10
第四節 社会的責任投資とは 13
第五節 社会的責任投資の投資行動 15
第三章 機関投資家と企業の関わり 18
第一節 株式市場の保有構造の変化 18
第二節 機関投資家のコーポレート・ガバナンス 19
第三節 機関投資家による議決権行使 21
第四章 個人の資産選択のあり方と機関投資家の投資行動 23
第一節 階層別の個人資産のあり方 23
第二節 社会的責任投資の課題 24
終章 27
序章
近年、年金制度の変化や、長引く低金利、ペイオフ解禁によって、個人の資産選択のあり方が見直されている。政府は、貯蓄から投資へというスローガンをかかげ、家計の金融資産を証券投資に誘導する方針をとっている。個人投資家を呼び込むため、証券販売チャンネルの拡大が行われ、インターネット専門の証券会社においては、手数料無料サービスを行っている 。また、投資信託の資産残高が伸びてきており、自ら株式投資を行うのではなく、機関投資家に資産運用を任せる投資家もいる。そのため、個人資産において、徐々にではあるが、預貯金が減り、証券投資が増えている。貯蓄から投資の流れが見られるなか、私たちは、個人の資産選択が機関投資家の投資行動に影響を与えるのか検証していきたい。そこで、テーマを2分するのではなく、個人資産の動向を述べた上で、機関投資家について論じていくこととする。
機関投資家には、大きく分けて3つの目的を果たすことが求められている。第1に、個人から委託された資金をもとに投資収益の最大化に努めることである。第2に、株主としての監視機能である。第3に、証券市場における株価形成への影響である。そして、個人資産が機関投資家へ流れることで、以前にも増して機関投資家の投資行動の影響力が大きくなっている。
また、グローバル化や環境問題において、企業の社会的責任(CSR) が求められるようになってきた。これを受けて、機関投資家を中心にCSR活動を行っている企業に投資をする社会的責任投資(SRI) が、新たな投資手法として注目されている。
この論文の第一章では、個人の資産選択の動向を整理する。個人の資産選択が求められる背景を明らかにし、家計の金融資産が貯蓄から投資へ流れていることを述べ、個人の投資行動について見ていく。個人資産が投資信託へ流入していることを受けて、第二章では、各論文の機関投資家の定義を検討し、機関投資家の役割について分析する。具体的にSRIと年金基金を取り上げて、それぞれの投資行動を見ていく。第三章では、機関投資家が企業に与える影響について分析する。株式市場の保有構造の変化により、機関投資家の企業への影響が増している。機関投資家のガバナンス行動として議決権行使を取り上げ、それらの課題について述べている。第四章では、階層別の個人資産のあり方を検証し、SRIの課題について述べている。終章では、これまでの分析をもとに、私たちが考える機関投資家の投資行動と、個人の資産選択のあり方について考察していく。
個人の資産選択の動向
第一節 個人の資産選択が見直される背景
近年、私たちは預貯金を中心とする資産構成から個
「機関投資家の投資行動と個人の資産選択のあり方」
<目次>
序章 2
第一章 個人の資産選択の動向 3
第一節 個人の資産選択が見直される背景 3
第二節 家計の金融資産の現状 4
第三節 個人の投資行動の多様性 7
第二章 機関投資家とは 8
第一節 機関投資家の定義 8
第二節 機関投資家の役割 9
第三節 年金基金の投資行動 10
第四節 社会的責任投資とは 13
第五節 社会的責任投資の投資行動 15
第三章 機関投資家と企業の関わり 18
第一節 株式市場の保有構造の変化 18
第二節 機関投資家のコーポレート・ガバナンス 19
第三節 機関投資家による議決権行使 21
第四章 個人の資産選択のあり方と機関投資家の投資行動 23
第一節 階層別の個人資産のあり方 23
第二節 社会的責任投資の課題 24
終章 27
序章
近年、年金制度の変化や、長引く低金利、ペイオフ解禁によって、個人の資産選択のあり方が見直されている。政府は、貯蓄から投資へというスローガンをかかげ、家計の金融資産を証券投資に誘導する方針をとっている。個人投資家を呼び込む...