ソーシャルワークについて
ソーシャルワークは、社会福祉サービスを必要としている方に対して、専門的知識と技術を駆使して、要援助者の生活と利益つまりは要援助者の権利を守っていくことである。このようなソーシャルワークの場面において、ソーシャルワーカー(援助者)自身が有する価値意識や資質の問題を除いては援助者との深いかかわりは困難である。そのために、援助者が要援助者と援助関係を取り結ぶとき、活用が求められる援助の原理・原則がある。その中でも一般的に容認されているのが「バイステック7つの原則」である。
バイステックは援助者と要援助者との関係を「クライエントが自分とその環境との間に良い関係と適応をもたらすためによりよく援助する目的で、ケースワーカーとクライエントとの間に展開される感情と情緒の力動的相互作用」と定義づけ、要援助者の基本的要求から出発して、援助者の取るべき原則を導き出した。対人援助技術には援助者と要援助者との間の良いコミュニケーションを図り、両者の信頼関係を築くことが重要であり、バイステックの原則を実践することによりこれを実現していくことが援助者に求められている。
バイステックは要援助者と援助関係の形成における原則として7つあげている。それは、「個別化の原則」「意図的な感情表出の原則」「統御された情緒関与の原則」「受容の原則」「非審判態度の原則」「自己決定の原則」「秘密保持の原則」であり、「個別化」「主体性の尊重」「援助者の基本的態度」といった個別援助技術の原理から成り立っている。この原則は、今日現在も福祉相談援助者の原則として広く活用されている。
しかし、「ケースワークの原則」(バイステック著)の「訳者あとがき」によると、「書かれた時代背景等のギャップにより、それだけに頼っても様々な臨床場面に対応するのは困難である。」といった記述がある。このことからもわかるように、“時代背景”に呼応した原理原則が求められているといえよう。その時代背景の思想の経過として大きくは三つに大別することができる。第一に、人間は差別なく平等に扱われなければならないとする「平等主義・機会均等の思想」及びその機会均等の思想から皆同じように当たり前に生活をしようといった「ノーマライゼーション思想」に拡大されていった。第二に、ある局面において利害対立や種々の葛藤が生じたとしても、民主的経過をたどることにより最終的に調整可能とした「予定調和的原則」に基づく「社会連帯の思想」がある。第三には、個人の可能性を最大限に引き出すシステムとしての「民主主義の擁護」や人間の自由と解放をもたらす「人道主義の擁護」を追求する「民主社会の思想」があげられる。これらの“時代背景”のもと、バイステックの原則に新たな解釈及び注釈がなれ、かつ、新たな原理・原則が成立していったものと考える。
それでは、社会福祉の現場での状況として具体的に「自己決定」について述べてみようと思う。バイステックは「自己決定」を「個別援助活動過程過程において、判断し決定する主人公は、本質的には要援助者本人であり援助者ではないとするものである。援助者は選択や決定の判断資料を利用者に提供することによって、利用者の自己決定を側面的に援助する。」と述べている。援助者は要援助者とともに生活上の問題点を把握し、ニーズを明確にすることから支援が始める。しかし、痴呆症や重度の身体障害者のように、意思表示が自ら行うことが困難な要援助者の意志をどこまで引き出せるのかが悩むところである。ソーシャルワーカーは要援助者の意思表明のサインをどうすれば確認できる
ソーシャルワークについて
ソーシャルワークは、社会福祉サービスを必要としている方に対して、専門的知識と技術を駆使して、要援助者の生活と利益つまりは要援助者の権利を守っていくことである。このようなソーシャルワークの場面において、ソーシャルワーカー(援助者)自身が有する価値意識や資質の問題を除いては援助者との深いかかわりは困難である。そのために、援助者が要援助者と援助関係を取り結ぶとき、活用が求められる援助の原理・原則がある。その中でも一般的に容認されているのが「バイステック7つの原則」である。
バイステックは援助者と要援助者との関係を「クライエントが自分とその環境との間に良い関係と適応をもたらすためによりよく援助する目的で、ケースワーカーとクライエントとの間に展開される感情と情緒の力動的相互作用」と定義づけ、要援助者の基本的要求から出発して、援助者の取るべき原則を導き出した。対人援助技術には援助者と要援助者との間の良いコミュニケーションを図り、両者の信頼関係を築くことが重要であり、バイステックの原則を実践することによりこれを実現していくことが援助者に求められている。
バイステックは要...