『EU統合はそこに暮らす人々、ひいては世界の人々の幸福にどのような貢献を果たすと考えられるか。もっとも基本的な目的と具体的な発現状況を要約して述べよ。』
歴史を振り返ると必ずそこに存在するのは戦争という名の殺しあいである。この戦争という名の殺し合いは主に国と国、民族と民族、宗教と宗教などの対立が原因である。ほぼ単一民族国家であるわが国、日本国内でさえ、ある時期まで戦争は絶えなかった。その原因も地域という名の国の対立、宗教の弾圧、少数民族の弾圧などが主な原因であった。しかし、日本国内統一後も、海外諸国への侵略など戦争は絶えなかった。島国である日本でさえ近国やはたまた、遠方の欧米諸国と戦争を展開してきたのである。これが陸続きで、そこにいろいろな言語を持ち、いろいろな民族が住み、そして何よりさまざまな国が存在していたヨーロッパがどんな歴史を歩んできたかは想像に難くないだろう。さらにはキリスト教が中心のヨーロッパだったがその陸続きの近国には他宗教のイスラム教が存在したり、キリスト教自体も分裂などの歴史を持つことから、近年にいたるまでヨーロッパでは戦争が絶えなかった。
何より、第1次世界大戦と第2次世界大戦の2度の世界大戦の主戦場となったのは他でもなくヨーロッパである。この2度の世界大戦を経験したヨーロッパ各国の中に芽生えたのがヨーロッパ統合の意思である。この2度の世界大戦によって、平和への渇望、そして多国家への防衛、そしてこの2度の大戦により消耗したために経済的な地位の奪取の3つである。これがヨーロッパ統合の目的である。
そして何よりも歴史的な背景から平和への渇望は強いものであった。今までのヨーロッパの地図は勢力の均衡で決まってきた。しかし、ひとたびこの均衡が崩れるとまた戦争が勃発する、それを繰り返してきたのがヨーロッパである。そして20世紀の2つの大戦がこのバランスオブパワーの考え方に再考を促すこととなった。第1次世界大戦後、ヨーロッパではどの国も戦争を仕掛けられないように不戦条約の締結が模索された。しかし、その不戦条約の象徴として誕生した世界連盟は崩壊し第1次世界大戦をも上回る規模の第2次世界大戦が勃発してしまい、ヨーロッパに甚大な被害をもたらすことになってしまった。この経験からヨーロッパでは経済的なことも含めた統合により戦争を防ごうと考えられるようになった。
その平和実現のために、歴史においてそりが合わなかったフランスとドイツ(当時西ドイツ)がその対立の原因である石炭と鉄鉱石の共同管理を決めることで両国の利害対立を防止し、戦争を防ごうと1951年パリ条約によりECSC(欧州石炭鉄鋼共同体)が発足し、これがEUの始まりとなる。つまり、経済統合の目的はこの経済的な利害を一致させることで経済的対立を防ぎ、戦争を防ぐことによってヨーロッパの平和を実現しようとしたものである。
そして、大戦後には旧ソ連とアメリカを中心とした冷戦時代へと突入することになる。これにより、ヨーロッパもん社会主義の東、資本主義の西と東西で分断されることなる。これは1989年のベルリンの壁崩壊、1991年ソ連崩壊の時期まで続くことになる。その当時、西ヨーロッパ諸国はこの東西分断を自分たちの力だけでは厳しかったためアメリカと結びつき、また共産主義の東ヨーロッパ諸国はソ連と結びつくことになる。そしてソ連崩壊後経済的に大国となったアメリカに対抗するという考えがからもヨーロッパ統合の動きは活性化することになる。
2007年現在、新たにルーマニアとブルガリアの加盟により27カ国がEUに加盟し
『EU統合はそこに暮らす人々、ひいては世界の人々の幸福にどのような貢献を果たすと考えられるか。もっとも基本的な目的と具体的な発現状況を要約して述べよ。』
歴史を振り返ると必ずそこに存在するのは戦争という名の殺しあいである。この戦争という名の殺し合いは主に国と国、民族と民族、宗教と宗教などの対立が原因である。ほぼ単一民族国家であるわが国、日本国内でさえ、ある時期まで戦争は絶えなかった。その原因も地域という名の国の対立、宗教の弾圧、少数民族の弾圧などが主な原因であった。しかし、日本国内統一後も、海外諸国への侵略など戦争は絶えなかった。島国である日本でさえ近国やはたまた、遠方の欧米諸国と戦争を展開してきたのである。これが陸続きで、そこにいろいろな言語を持ち、いろいろな民族が住み、そして何よりさまざまな国が存在していたヨーロッパがどんな歴史を歩んできたかは想像に難くないだろう。さらにはキリスト教が中心のヨーロッパだったがその陸続きの近国には他宗教のイスラム教が存在したり、キリスト教自体も分裂などの歴史を持つことから、近年にいたるまでヨーロッパでは戦争が絶えなかった。
何より、第1次世界大戦...