法は憲法や法律のような成文法と慣習法などの不文法と大きく二つにわける事ができる。これらは法の淵源となるものとして法源とよばれ、裁判の判決を決定する基準となっている。
そこで本レポートでは、判例は法源として価値があるかとの課題に対し、判例の法源性に関する議論を整理し、具体的に英国と日本の判例の位置づけを確認し、事例をあげながら述べていきたい。
1判例の法源に関する議論
2 英国と日本における判例の捉え方
3まとめ
法は憲法や法律のような成文法と慣習法などの不文法と大きく二つにわける事ができる。これらは法の淵源となるものとして法源とよばれ、裁判の判決を決定する基準となっている。そこで本レポートでは、判例は法源として価値があるかとの課題に対し、判例の法源性に関する議論を整理し、具体的に英国と日本の判例の位置づけを確認し、事例をあげながら述べていきたい。結論では事実上においての判例の法源性は存在するが将来の判決に絶対的拘束力はなく、判例の変更はあると展開する。
1判例の法源に関する議論
判例とは裁判の先例のことであり、本来ならば裁判の判決は同一事件のみを拘束する。判例の法源性が問題になるのは、将来似た事件がおきた場合、判例が法源になるかという点である。
判例を重視する理由は同じ類型の事件に同様の判断をすることにより、判例が統一性を保ち、みだりに変更されない事で法的安定性が生じることがとても重要である。一般の人にとって先例に従っている限り、安心して経済社会活動ができ、安定した社会発展が可能になる。また、同様の事件がおきた時の対応の際に、判決の予測ができるため対応しやすく無駄を省く事ができる。
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