少子高齢化の進行と非正規労働者の増加が日本の社会保障制度に与える影響について論述しなさい。
現在の社会保障制度が形作られた1960年代~1970年代と比較して、今日の社会経済は大きく変化している。厚生労働省「平成26年人口動態統計(確定数)の概況」によると、平成26年は26万9千人の人口減となっており、少子化の進行は人口減少をもたらす大きな要因となっている。人口を維持するには、合計特殊出生率が2.1程度であることが必要であり、この数値は人口置換水準と定義されている。第一次ベビーブーム期のピークである昭和24年には4.32に達していた出生率は、平成26年には1.42となっており、国際的にみても先進国のなかでも出生率が顕著に低い。次に、総人口に占める65歳以上人口の割合を高齢化率と呼び、7%を超える社会を高齢化社会、14%を超える社会を高齢社会と呼んでいる。日本の高齢化率は昭和45年では7%だったのが、平成19年には初めて21%を超え、平成72年には39.9%に達すると見込まれ、現役世代が高齢者を支えるための負担も重くなっていく。負担の大きさを生産年齢人口の比でみると、平成22年には2.8人の現役世代で1人の高齢者を支えていたものが、平成34年には2人で1人、さらに平成72年に...