因果関係
事例:深夜の公園においてXらに繰り返し暴行を受け、引き続き、マンションの居室においても暴行を受け
て顔面打撲傷などの傷害を負った被害者Aが、高速道路に逃げ込んだことにより自動車に惹かれて死亡した
事件(最高裁平15.7.16)
1 XらはAに長時間激しい暴行を加えており、これによってA死亡という結果が生じているから、Xらに
は傷害致死罪の共同正犯(205条・60条)が成立するように思える。しかし、本問においては、Xら
の暴行後に、極度の恐怖心を抱いたAが高速道路へ逃げるという事情が介在しており、かかる場合にもX
らの実行行為とAの死亡結果との間に因果関係が認められるか。刑法上の因...