(1) 昭和59年に設置された臨時教育審議会(以降:臨教審)が解決策を模索した「教育問題」について取り上げる。当時の日本は戦後の荒廃期から立ち直り、急成長を遂げたが、いじめや不登校、学級崩壊などが問題となっており、背景には管理主義や量的な詰め込み教育などがあった。確かにいじめは児童がお互いを深く知らないために、またはそのような機会が不足しているため、思いやりの心が欠けていることが原因の一つであろう。また自身にゆとりがないと他人にも厳しく、批判的になってしまう経験は私にもある。臨教審はそうした教育問題の解決のため、地方の実情に合わせた教育ができるような分権主義や学歴偏重主義是正のための試験制度変...