気相型酸素電極を用いた葉の光合成速度の測定
1、目的
異なる環境にある2種類の植物の葉の光合成速度を求め、その結果から
生理生態学的な考察を行う。
2、方法
阪大基礎工学部前の池の周りにある2種類の葉を採集した。片方は地面に近かったイタドリで、もう片方はその2mほど上にあったソメイヨシノの葉をとった。どちらも南向きの葉で日当たりは良かった。
葉を円形の葉のついたカッターで約10㎠の大きさに切り取った。葉がしおれないように、切り取った葉は水を張ったシャーレに浮かべておいた。
気相型酸素電極に葉をセットし、チェンバー内に呼気を導入して5%CO2 の高CO2状態にしてから気相型酸素電極の電圧の変化をレコーダーで記録した。光強度は1800UMの光を発するライトに光透過率の異なる様々なフィルターをセットし、0%、1%、2%、5%、10%、20%、50%、70%、100%に変化させた。CO2濃度が約2%以下になったときは再び呼気を導入し、5%CO2に戻した。
チェンバー内に0.5ccの空気を導入し、そのときの電圧変化を読み取る事で、チェンバー内の実体積を算出した。
スキャナーを用いてパソコンに葉の画像データを入力し、葉面積を得た。
3、4、5の測定値から光合成速度を計算した。計算式はA=大気21% O2と平衡状態にあるときの電圧(V)、B=ある一定時間辺りの電圧の変化(Vs-1)、C=21% O2のモル濃度(mol/L) D=チェンバー内の実体積(L) E=葉面積(m2)とすると、CDB/AE×106(μmolO2-s1 m-2)である。
3、結果
チェンバー内実体積(L)はイタドリ10.3×10-3、ソメイヨシノ8.33×10-3だった。
大気21% O2と平衡状態にあるときの電圧(V)はイタドリの測定直前に記録した値は1.225だったが、ソメイヨシノの測定前は1.166だった。光合成速度を計算するときはそれぞれ値を用いた。
葉面積(m2)はイタドリ9.783×10-4、ソメイヨシノ9.731×10-4だった。
電圧の変化は表1に示す。
表1 2種の葉の光合成時の電圧の変化(mVs-1)と光強度(UM)の関係
0 18 36 90 180 360 900 1260 1800 イタドリ -0.053 0.0019 0.032 0.12 0.17 0.41 0.46 0.49 0.62 ソメイヨシノ -0.050 0.0042 0.043 0.13 0.20 0.30 0.39 0.45 0.49
2種類の葉の光合成速度を表2に示す。グラフを別紙グラフ1に示す。
表2 2種の葉の光合成速度(μmolO2s-1m-2)と光強度(UM)との関係
0 18 36 90 180 360 900 1260 1800 イタドリ 0 4.1 6.3 12 16 34 38 39 50 ソメイヨシノ 0 3.5 5.9 11 16 22 28 31 34
これらのデータから初期勾配(μmolO2s-1m-2 UM-1)はイタドリでは0.14、ソメイヨシノでは0.12と求まった。
光飽和した時の光合成速度(μmolO2s-1m-2)はイタドリでは1800UMでの値の増加を無視すれば約40、ソメイヨシノでは約35と求まった。
4、考察
チェンバー内実体積の値がイタドリ10.3(cc)、ソメイヨシノ8.2(cc)と、葉の面積、厚さが同じくらいだったのにも関わらず差がありすぎる。空の状態での体積が約8ccなので、おそらくイタドリを入れたときの測定で失敗した、
気相型酸素電極を用いた葉の光合成速度の測定
1、目的
異なる環境にある2種類の植物の葉の光合成速度を求め、その結果から
生理生態学的な考察を行う。
2、方法
阪大基礎工学部前の池の周りにある2種類の葉を採集した。片方は地面に近かったイタドリで、もう片方はその2mほど上にあったソメイヨシノの葉をとった。どちらも南向きの葉で日当たりは良かった。
葉を円形の葉のついたカッターで約10㎠の大きさに切り取った。葉がしおれないように、切り取った葉は水を張ったシャーレに浮かべておいた。
気相型酸素電極に葉をセットし、チェンバー内に呼気を導入して5%CO2 の高CO2状態にしてから気相型酸素電極の電圧の変化をレコーダーで記録した。光強度は1800UMの光を発するライトに光透過率の異なる様々なフィルターをセットし、0%、1%、2%、5%、10%、20%、50%、70%、100%に変化させた。CO2濃度が約2%以下になったときは再び呼気を導入し、5%CO2に戻した。
チェンバー内に0.5ccの空気を導入し、そのときの電圧変化を読み取る事で、チェンバー内の実体積を算出した。
スキャナーを用...