看護学生の実習の事前学習です。
アルコール依存症の病態生理および症状
1.病態生理
アルコール依存症は薬物依存症と同様に、物質関連障害と呼ばれる。
物質関連障害とは、人が物質を摂取することにより起こりうるすべての精神と行動の障害を含む。
乱用、依存、中毒は下図のように区別する。
薬物乱用:社会規範から逸脱した目的や方法で、薬物を自主摂取することである。
薬物依存:乱用の繰り返しの結果として生じた慢性的な状態であり、その結果の使用をやめようと思っても、渇望に抗しきれずに自己防御が出来なくなった状態である。
出典) 井上智子/佐藤千史編集:疾患別看護過程,第2版,P1243,医学書院,2012.
出典) 井上智子/佐藤千史編集:疾患別看護過程,第2版,P1243,医学書院,2012.
依存は、精神依存と身体依存に分かれる。
精神依存:薬物摂取に対する強い欲求をもつことである。
身体依存:身体が薬物に慣れる(体制が生じる)ことをいい、例えば薬物使用を停止すると離脱症状が出現してくるなどである。
薬物中毒とは薬物が心身に毒性のある物質として働くことで、急性中毒と慢性中毒とに分かれる。
急性中毒:アルコールを...