何故、子どもの活動を総合的活動として5領域から捉えるのか

閲覧数39,164
ダウンロード数75
履歴確認

    • ページ数 : 9ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

     何故、子どもの活動を総合的活動として5領域から捉えるのか、その意義と問題について述べよ。
     人とは、常に生理的であれ、精神的であれ、肉体的であれ活動している。常に心臓は脈打つし、起きているときであれば、何かを考えたり、体を動かしたりしている。
     さて、子どもの活動を採ってみると、「幼児の自発的な活動としての遊びは心身の調和のとれた基礎を培う重要な学習であることを考慮して、遊びを通しての指導を中心として保育のねらいが総合的に達成されること。」と幼稚園教育要領・総則には記されており、また保育所保育指針では「子どもが自発的、意欲的に関われるような環境の構成と、そこにおける子どもの主体的な活動を大切にし、乳幼児期にふさわしい体験が得られるように遊びを通して総合的に保育を行うこと」と記述されている。これらの公文書を見ると、保育所であれ、幼稚園であれ、子どもの活動とは「遊び」であることが分かる。
     この場合の「遊び」とは、幼児が自分から興味や関心をもって周囲の環境に関わって、心や体を働かせて活動を展開することを表している。この「遊び」、幼稚園では、「遊びを通して指導する」というのがねらいであって、「遊び方を教える」という場ではないことを理解しなければならないのである。
     遊びは、三つの要素を含んでいなければならない。それは、第一に「自発的であること」、第二に「楽しいこと」、第三に「遊びそのものが目的であるということ」である。
     一人ひとりの幼児が自分で遊びだし、自分の課題を見つけ、それを自分で解決していくプロセスの中で味わう充実感を伴った楽しさを得ることが大事なのである。
     つまり遊びが幼児によって生み出されてくる課程が重要なのであって、遊びが生まれてくる状況(環境)をどのようにして作り出すかが、幼稚園教育の課題となってくるのである。
     次に、活動を5領域である「健康」、「人間関係」、「環境」、「言葉」、「表現」の点から捉える。
     領域は総合的な指導をする上で整理をつけやすくするのに役立つ。また、幼稚園修了までに育つことが期待される心情、意欲、態度などをねらいとして位置付けている。「健康」は、健康な心と身体を育て、自ら健康で安全な生活をつくり出す力を養うことを意味している。「人間関係」は、他の人々と親しみ、支えあって生活するために、自立心を育て、人と関わる力を養うことを意味している。「環境」は、周囲の様々な環境に好奇心や探究心を持ってかかわり、それらを生活に取り入れていこうとする力を養うことを意味している。「言葉」は、経験したことや考えたことなどを自分なりの言葉で表現し、相手の話す言葉を聞こうとする意欲や態度を育て、言葉に対する感覚や言葉で表現する力を養うことを意味している。「表現」は、感じたことや考えたことを自分なりに表現することを通して、豊かな感性や表現する力を養い、創造性を豊かにすることを意味している。
     この5領域を設けることで、それぞれの側面から幼児の発達を確認することができるのである。
     例えば、子供同士のかけっこについて5領域の立場から考えてみたい。走るという活動によって肉体的な「健康」を得ることができる。かけっこという行為は、特に脚力と心肺能力という点において得られるものが大きい。次にかけっこをする相手との「人間関係」がある。人が二人以上いる以上、そこにルールが生まれる。どういったコースを走るのか、どうやってゴールしたら勝ちなのかといったものを相手と決めなければならないのである。そこに人間という相手がいる以上、常に関係がついて回るのである。

    タグ

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

     何故、子どもの活動を総合的活動として5領域から捉えるのか、その意義と問題について述べよ。
     人とは、常に生理的であれ、精神的であれ、肉体的であれ活動している。常に心臓は脈打つし、起きているときであれば、何かを考えたり、体を動かしたりしている。
     さて、子どもの活動を採ってみると、「幼児の自発的な活動としての遊びは心身の調和のとれた基礎を培う重要な学習であることを考慮して、遊びを通しての指導を中心として保育のねらいが総合的に達成されること。」と幼稚園教育要領・総則には記されており、また保育所保育指針では「子どもが自発的、意欲的に関われるような環境の構成と、そこにおける子どもの主体的な活動を大切にし、乳幼児期にふさわしい体験が得られるように遊びを通して総合的に保育を行うこと」と記述されている。これらの公文書を見ると、保育所であれ、幼稚園であれ、子どもの活動とは「遊び」であることが分かる。
     この場合の「遊び」とは、幼児が自分から興味や関心をもって周囲の環境に関わって、心や体を働かせて活動を展開することを表している。この「遊び」、幼稚園では、「遊びを通して指導する」というのがねらいであって...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。