2017年度シラバス
【第1設題文】
OECDが行っている生徒の学習到達度調査(PISA)で求められている能力を高める授業と評価の方法について,教えることを中心とした場合と,学習することを中心とした場合の設計手続きの違いを踏まえ,それぞれの場合における学習指導設計および評価方法を提案しなさい。
【第2設題文】
知識基盤社会において,教師が経験に基づきながら,自らの教育技術や判断力を高めるための効果的なICTの活用方法を考えなさい。とくに,教育の情報化や育成すべき人材像をふまえて,必要とされる教師力の視点から具体的に説明せよ。
【参考教科書】
篠原正典・宮寺晃夫編著(2012)『新しい教育の方法と技術』ミネルヴァ書房.
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OECDが行っている生徒の学習到達度調査(PISA)で求められている能力を高める授業と評価の方法について,教えることを中心とした場合と,学習することを中心とした場合の設計手続きの違いを踏まえ,それぞれの場合における学習指導設計および評価方法を提案しなさい。
1. 序論
近年,子どもの学力が低下しているという問題が浮き彫りになっている。文部科学省が実施した生きる力の育成のためのゆとり教育は,授業数や授業内容の削減などに始まり日本の教育に大きな影響を与えた。これはOECD(経済協力開発機構)が実施する「生徒の学習到達度調査(PISA)」結果に対する考察から把握することが可能である。PISAとは,主に「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」「読解力」という観点から,義務教育を終えた学生に対する学力調査を行うというものである。我が国の結果においては,数学的リテラシー・科学的リテラシーの観点では2000年の調査開始当時から比較的上位にあり高水準な教育が維持されていると言える。読解力の観点については,調査開始から徐々にランキングを落としたものの,2009年頃から現在にかけて学力を取り戻しつつあると...