実験2
スチレンとメタクリル酸メチルの共重合反応
目的
スチレンとメタクリル酸メチルのラジカル共重合体を精製し、得られた共重合体の組成比を紫外吸光法により求める。さらに、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)により高分子の分子量を求める。
実験操作
重合
100cm3三口フラスコにトルエン--cm3、スチレン--ml、メタクリル酸メチル--ml、アゾイソブチロニトリル(AIBN)--mgを入れ、図1に示すように装置を組み立てた。
N2ガスをバブルさせて、反応系中のO2を除き、70℃湯浴に漬け反応を開始した。加熱重合中もわずかずつN2ガスをバブルし、反応系の攪拌を行った。30分、60分、90分、120分の加熱反応後それぞれの時間での重合試料を次のように採取した。
図1のAの部分を手で押さえてN2ガスの圧力でBを通じて反応液約5cm3をサンプル瓶に採取した。この液を約5倍量のメタノールに攪拌しながら注ぐと、ポリマーの沈殿を確認した。上澄み液をデカンテーションして除き、得られた精製ポリマーを再びクロロホルムに溶解し、約5倍量のメタノールに注ぎ再沈殿させた。沈殿したポリマーはろ過し、メタノールで洗浄後、室温で乾燥させ収量を測定した。
図1. 共重合反応装置
図2. 採取した反応液をメタノールと混合
組成の決定
得られた共重合体中のスチレン及びメタクリル酸メチル単位の組成比の決定は、紫外吸光法によって行った。ポリスチレンの特性吸光率をKs (cm3cm-1g-1)、ポリメタクリル酸メチルのそれをKm(cm3cm-1g-1)とすると、両者の混合物の吸光率Kは、ポリスチレンの重量パーセントxを用いて、下記の(1)式で与えられる。
… (1)
共重合体意についての混合物と同様に(1)式が成立すると仮定して、共重合体中のスチレン及びメタクリル酸メチル単位の量比を知ることができる。あらかじめ、組成比のわかっているポリスチレンとポリメタクリル酸メチルの混合物を精製したクロロホルムに融解して分光光度計により、***nmの紫外線においてKを測定し、x – KプロットによりKs = ***(cm3cm-1g-1)、Km = ***(cm3cm-1g-1)と求められた。この値を用いて格時間の共重合体組成を決定した。
分子量の算出
2時間後に得られた共重合体をGPCによって解析し、(2)式、(3)式を用いて分子量Mw、Mnを算出した。その際、既に得られている分子量較正曲線を用いた。
Mw = ∑(MiHi) / ∑(Hi) … (2)
Mn = ∑(Hi) / ∑(Hi/Mi) … (3)
さらに、他分散度Mw/Mnを求めた。
結果
得られた共重合体の名前を、得られた順に試料A~Dとして、収量を表1にまとめた。また、吸光度Kと(1)式より求めたポリスチレンの重量パーセントを表2にまとめた。
表1. 共重合体の収量
表2. 共重合体中のポリスチレンの重量パーセントx
考察
ファイマン-ロス法によるモノマー反応性比r1, r2の算出。
実験2
スチレンとメタクリル酸メチルの共重合反応
目的
スチレンとメタクリル酸メチルのラジカル共重合体を精製し、得られた共重合体の組成比を紫外吸光法により求める。さらに、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)により高分子の分子量を求める。
実験操作
重合
100cm3三口フラスコにトルエン40cm3、スチレン23ml、メタクリル酸メチル11ml、アゾイソブチロニトリル(AIBN) 80mgを入れ、図1に示すように装置を組み立てた。
N2ガスをバブルさせて、反応系中のO2を除き、70℃湯浴に漬け反応を開始した。加熱重合中もわずかずつN2ガスをバブルし、反応系の攪拌を行った。30分、60分、90分、120分の加熱反応後それぞれの時間での重合試料を次のように採取した。
図1のAの部分を手で押さえてN2ガスの圧力でBを通じて反応液約5cm3をサンプル瓶に採取した。この液を約5倍量のメタノールに攪拌しながら注ぐと、ポリマーの沈殿を確認した。上澄み液をデカンテーションして除き、得られた精製ポリマーを再びクロロホルムに溶解し、約5倍量のメタノールに注ぎ再沈殿させた。沈殿したポリマーはろ過...