戦後59年、国民の約七割が戦争を知らない世代となった。戦争を知らない世代にとって、戦争というものは、体験者から語り継がれてきた過去の出来事である。しかし、戦争を知る世代がいなくなったとき、本当の戦争の怖さ、無意味さがどの程度リアルに伝わるのであろうか。59年前とはかけ離れた平和な日本に生きる私たちにとって、戦争の実相を後世に伝えていくことが最大の使命である。
私は、祖母の話、授業、沖縄や広島を訪ねた時に見た遺産などを通して幼い頃から戦争について教わってきた。学校で学んだことは、先生から聞いた当時の暮らしや空襲の話、疎開の話等、どれも記憶に強く残るものばかりであった。なかでも、毎年開かれる、...