慶應通信 経済変動論 合格レポート
お題「内生的成長論は外生的な技術進歩を想定することなく、どのように持続的な経済成長を説明するだろうか。新古典派の経済成長理論(ソローモデル)との違いを明確にし、具体的な事例を挙げながら説明しなさい。」
経済変動論
内生的成長論は外生的な技術進歩を想定することなく、どのように持続的な経済成長を説明するだろうか。新古典派の経済成長理論(ソローモデル)との違いを明確にし、具体的な事例を挙げながら説明しなさい。
序
経済は、常に循環・成長しており、様々な経済変動にさらされている。国民経済・世界経済の経済成長についての動態、その要因の分析、説明を行う経済学の一分野に経済成長理論がある。現在に至るまで様々な経済成長理論のモデルが発表されてきたわけだが、本論では内生的成長理論と新古典派の成長理論(ソローモデル)の違いを明確にし、事例を挙げて説明することとする。
新古典派の経済成長理論(ソローモデル)について
まず、労働増加的(ハロッド中立的)技術進歩を伴った新古典派型の成長理論では、均斉成長下(恒常状態)において経済成長率は労働人口の成長率と技術進歩率の和に等しくなるというものである。特徴としては、労働人口の増加率も技術進歩率も外生的に与えられているという点である。次に、新古典派の経済成長理論(ソローモデル)の一つの考え方に「条件付き収斂」がある。これは、ある条件が整えば初期の所得が低...