本テキストで述べる社会科授業の基本構造について説明し、平成20年版学習指導要領における社会科の教科目標との関連を考察しなさい。また基本構造に基づく社会科授業のあり方について、いくつかの理論に触れつつ具体的な授業事例を挙げて説明しなさい。
社会科授業の基本構造は「構造的知識の学習」「社会科授業における探究過程」「合理的な意思決定」の三つが大きな柱となっている。
まず構造的知識の学習について。社会科のカリキュラムには、社会諸科学の研究成果の構造性を踏まえていることが必要である。わが国の学習指導要領は、学習内容の順序や範囲を示しているが、そこでは、教科の背景をなす社会諸科学の学問構造は水面下に隠れてしまっている。学習指導要領で示された内容と、社会諸科学の概念や法則性の関係の構造性、系統性の開発が必要である。
たとえばテキスト44ページのように、授業で取り上げる内容を考察しその説明や長所短所をまとめておきないよう設計をしていくことが必要である。社会科の授業において取り上げる諸事象が、なぜ学ぶ価値があるのかについて説明できなければならない。単元の内容がこのような構造で示されていると、そ...