横田増生著『フランスの子育てが、日本よりも10倍楽な理由』を読んで。(評価:優)

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    資料紹介

    日本とフランスの子育て環境(政策や国民性の違いなど)を比較し、日本で子どもを育てることがどれほど大変かを暗に示唆した『フランスの子育てが、日本よりも10倍楽な理由(横田増生著)』の感想レポートです。

    本文2,340字(評価:優)

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    横田増生著『フランスの子育てが、日本より10倍楽な理由』を読んで。
    この本をもっと早くに読みたかった。読み終えた瞬間、切実にそう思った。今まで持っていた価値観がガラリと変わったからだ。本書は、著者のフランスでの子育てと実際にフランスで子供を育てている親たちのインタビューを軸として書き上げられているが、フランスとの比較の際に挙げられる日本の現状があまりに強烈で、むしろそちらの方に興味を取られてしまった。読み始める前は、育児について語った本としての印象が強かったが、取り上げられている内容は政策の問題であったり、思想の問題であったりと幅広く、浅くではあるが日本の抱える問題を広域的に捉えることができたような気がする。特にフランス、アメリカ、日本、の3国を比較検討していく中で、少子化問題、貧困問題において日本という国が今どれほど最低ラインにいるかが良く分かった。
    本書を読んで感じたことはいくつかあるが、一番変わったのは、おそらく小泉元首相に対する見方だろう。騙されていた…というかなんというか、きちんとした知識がない中で、彼のパフォーマンスや統率力、そして「構造改革」という言葉に惑わされ、彼のやる...

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