中央大学通信教育(2017年度)民法5【親族・相続】の第1・2課題レポートです。 評価は、両方Bでした。 参考資料として使用していただければ幸いです。
民法5(親族・相続)第1課題 「相続資格の剥奪に関する制度について」
相続は被相続人の死亡によって開始する(882条)。被相続人の相続人となる地位にいる人は、相続開始前には推定相続人と呼ばれる。民法では、推定相続人について、一定の要件により相続人として資格を失う規定が存在する。
民法では、推定相続人の相続欠格制度がある。この制度は、被相続人の生命を故意に侵害しようとしたことや、また、被相続人の遺言に関し著しく不当な干渉をしたことなどの原因を要件に、法律上当然に相続人ではなくなるものである(891条)。この制度の本質をどう理解するかで対立があり、相続的共同関係を破壊する行為への制裁とみる立場と、相続による財産取得秩序を乱して違法に利得する行為の制裁とみる立場がある(1)。
891条では、次の5つの類型が規定されている。第1に、故意に相続人または相続について先順位もしくは同順位にある者を死亡するに至らせ、または至らせようとしたために、刑に処された者である(891条1号)。例えば、殺人罪(刑法199条)、殺人未遂など、被相続人を死亡させる故意を有すれば、欠格事由にあたる。そのため、過失致死...