江戸の見世物――細工見世物の隆盛と仏教

閲覧数2,067
ダウンロード数3
履歴確認

    • ページ数 : 3ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    見世物興行は寺社の御開帳の場と結びついて行われる。というのも、興行は主に寺社の境内で行われたからだ。そして、見世物興行と御開帳の開催日数が重なるため、御開帳に集う老若男女が見世物小屋へも集まった。時には、見世物を見たいが為に御開帳へ行く、ということもあったそうだ。このような近世後期に行われた見世物の中で興行の約半数を占めたのが細工見世物である。細工見世物とは、物語や伝説人物、歴史的場面などをさまざまな素材の細工と人形、仕掛などでつくってスペクタクルにした見世物である。細工見世物は、1800年代前半までの細工見世物ブーム以降、明治の初めまで興行の第一線でその名を轟かせた。
     本レポートでは、この細工見世物の隆盛の歴史、中でも籠細工の隆盛の歴史を『江戸の見世物』を参考にまとめ、その後、見世物・民衆・仏教の関係を考察してくこととする。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    江戸の見世物――細工見世物の隆盛と仏教
    1.はじめに
    見世物興行は寺社の御開帳の場と結びついて行われる。というのも、興行は主に寺社の境内で行われたから
    だ。そして、見世物興行と御開帳の開催日数が重なるため、御開帳に集う老若男女が見世物小屋へも集まった。
    時には、見世物を見たいが為に御開帳へ行く、ということもあったそうだ。このような近世後期に行われた見
    世物の中で興行の約半数を占めたのが細工見世物である。細工見世物とは、物語や伝説人物、歴史的場面など
    をさまざまな素材の細工と人形、仕掛などでつくってスペクタクルにした見世物である。細工見世物は、1800
    年代前半までの細工見世物ブーム以降、明治の初めまで興行の第一線でその名を轟かせた。
    本レポートでは、この細工見世物の隆盛の歴史、中でも籠細工の隆盛の歴史を『江戸の見世物』を参考にま
    とめ、その後、見世物・民衆・仏教の関係を考察してくこととする。
    2.籠細工
    細工見世物のひとつに、籠細工がある。籠細工とは、竹で編んだ籠目を素材として、人物・動物などをつく
    ったものだ。写実的な美を追及するのではなく、細工の素材を見せることが大事とされた。そこ...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。