励起分子の緩和過程
目的
分子をパルス光によって励起し、電子励起状態の緩和過程を調べる。そのための基本的技術を収得し、それぞれの機器の役割を理解する。
測定原理
励起状態の緩和過程は輻射過程と無輻射過程に大別される。
分子Mの基底状態をS(₀)とし、その分子Mが光吸収によって励起一重項状態S(₁)へと遷移したとする。つまり、 M(S₀)+hν→M (S₁) である。その緩和過程は4種存在するが、その内の2種について今実験で観察する。
①ケイ光放出過程:M(S₁)→M(S₀)+hν
②無輻射過程:M(S₁)→M(S₀)+⊿
③項間交差:M(S₁)→M(T₁)
④分子M₁から分子M₂へのエネルギー移動:M₁(S₁)+M₂(S₀)→M₁(S₀)+M₂(S₁)
P* P+hν’
I(t)∝[P*] ⇒励起状態の濃度に比例して発光。
[P*]=[P*]₀exp(-k₁t)
I(t)∝exp(-k₁t)=Aexp(-k₁t)
ln I(t)=lnA-k₁t
ピレンのみの時、 P* P+hν’
ピレン+AOの時、 P*+AO P+AO*
AOのみの時、 AO* AO+hν’’
実験方法
ピレン(C₁...