参考文献
短編女性文学現代 今井泰子 おうふう 1993年11月30日
第2課題 第1設題
本レポートでは、「海の方の子」(山田詠美)について作品と作家について論じる。
本作の主人公はおませでおせっかいな九歳の少女である。彼女は人の心を読むのがうまく、他の子どもたちよりも本や土地の知識があるという理由で、自分のことをすでに大人だと自負していた。彼女は誰にでも愛されるように、また誰でも愛するように努力している大人であったので、自分が他人から嫌われることなどあり得ないと考えていた。
実際、彼女は「都会から来た子」という事でまず一目を置かれ、得意の処世術でクラスメイトの信頼を勝ち取ることに成功する。主人公はそれまでの多くの転校体験から、クラスの中で仲間外れに会って...