生徒指導は、すべての児童生徒のそれぞれの人格のよりよき発達を目指すとともに、学校生活がすべての児童生徒にとって有意義で興味深く、充実したものになることを目指している。では、そのような目標を達成するために、私たち教育関係者にはどのような資質や能力、態度が必要なのか。教育カウンセリングの観点から5点を挙げて論じる。
「生徒指導や教育相談担当者として、
不可欠な資質・能力・態度とは何か」
我が国における学校教育の目的は、教育基本法にあるように、生徒の「人格の完成」を目指すことにある。人格とは、人が生まれながらにして持っている「人権」とは異なり、自ら求めて学んで獲得していくものである。ガブリエル・マルセルは「自ら判断し、その判断に基づいて決断し、自分がくだした決断に対してはあくまで責任をとってゆく」ことであると述べている。これらは、生徒の「生き方・あり方」に関することであり、生徒指導と深く結びついている。生徒指導提要では、生徒指導とは一人一人の児童生徒の人格を尊重し、個性の伸長を図りながら、社会的資質や行動力を高めることを目指して行われる教育活動であるとしている。すなわち、生徒指導は、すべての児童生徒のそれぞれの人格のよりよき発達を目指すとともに、学校生活がすべての児童生徒にとって有意義で興味深く、充実したものになることを目指している。では、そのような目標を達成するために、私たち教育関係者にはどのような資質や能力、態度が必要なのか。以下の5点を挙げたい。
第1に、子どもをひとりの人...