日本大学通信哲学分冊2レポート。丸写し厳禁。
日本大学通信教育部
科目名:哲学
分冊2
カント以前の哲学の分野では、イギリス経済論と大陸合理論という2つの大きな立場が対立していたのである。経済論を代表するのはベーコンであり、ロックであり、ヒュームに至って懐疑論という形で完成し、合理論を代表するのはデカルトであり、スピザノであり、レイプニッツである。経験論は、人間の心は「タブラ・ラサ(白紙)」のようなものであり、人間の認識は全部経験に由来する感覚的なものだ(「感覚のうちにないものは知性のうちにない」)と説いて、因果関係などの立場から説明するものであり、合理論は生得観念を認め、真の認識は経験に基づかない先験的な理性の働きによるものとしたのである。このロックやライプニッツらの立場は対立しつつも、認識が対象に依存したそれを「模写」するだけだとしている点では同じだったのである(模写説)。
カントはこの2つの立場について、け権論では自然科学や数学などの普遍性や原因結果といった観念がどこの文化にも共通に存在するという事実で説明できないとしつつ、合理論では世界は自らが持つ理性によって正しく認識されることになってしまうと批判したのである。
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