佛教大学の道徳教育の研究(Z1115)、第1設題のリポートです。
2016年12月にA判定をいただいております。
道徳教育の意義について述べよ。
1、「生きる力」
今日の教育には「生きる力」を育てるという目的があり、その核となっている3つの能力というのが「確かな学力」、「豊かな人間性」、「健康・体力」である。そうした能力の獲得を助けるために道徳教育というのは必要となるのであるが、まず「確かな学力」とは何か。高度経済成長時代から、詰め込み教育による知識偏重の時代が長く続いた。結果として物作りは発展して日本は技術革新していったが、情報の多様化や技術の進歩が進む今、単に知識があるだけでは生き残っていけない。自分で課題を見つけ、主体的に判断を下していく能力が必要なのだ。一見自分には関係ないと思えるような社会問題でさえも、自分と社会との関わりを模索しながら自分に何ができるのかを考え、できることから行動していく。こういった実践的な能力が「確かな学力」のベースなのである。次に「豊かな人間性」について。これは自らを律し他人を思いやる気持ちを持つことであるが、現代は隣に住んでいる人が誰かも知らないことが多いなど、人間関係の希薄さが指摘されている。便利な世の中になっているが、人同士が助け合いをしてきたことで社会を発...