言葉の音声的側面について
私が言葉の音声的側面について考えようとするときまず思い浮かぶのが、言葉ごとの発生の違いである。
もともと言葉は人間のもっとも古い発明のひとつであった。言葉を用いられるようになるにはそれ相応の脳の発達が必要であり、同時に言葉を用いることで更なる脳の発達が促された。実用的な面でも、言葉は、人間間の意思や知識の伝達や、それらの蓄積を可能にした。言葉を用いるのが人間と他の動物を隔てる条件のひとつともいえるが、文明を発達させるのにも言葉は必要不可欠で土台となるものだったといえる。
そもそも言葉はまず発声されることから発明された。おそらくもっとも初期の言葉は、現在の動物も使うよう...