「意味学派」とは何か、
社会学史における位置づけに留意して説明せよ。
1950年初頭から60年代中頃にかけての社会学は、世界的規模で、パーソンズ流の構造‐能理論を基軸に展開していた。「パーソンズの構造‐機能理論こそが社会学理論であり、社会学もようやく通常科学への道を歩み始めた」という主張すらされる状況であった。それは、パーソンズ流の構造‐機能理論が、社会の各要素が他のすべての要素と関係しつつ全体を維持するという方向性を持って機能しているという見解を暗黙のうちに前提しているという点において、大戦後のアメリカを中心にした世界の秩序化と状況認識にきわめて適合的な関係にあり、多くの社会学者に受けいれられたからである。
しかし、他方でそれは批判される論点のひとつにもなった。たとえばC.ライト・ミルズは、パーソンズの「誇大理論」は、概念の物神化と、「意味」への盲目という傾向を持つと同時に、安定した支配の形態を正当化するというイデオロギー的立場に立っているといって、痛烈な批判を浴びせかけた(『社会学的行動力』1959)。また、ジョージ・C.ホマンズも、パーソンズの演繹的方法に対して、帰納的方法を用い...