中央大学 法学部 通信教育課程 2016年度&2017年度 行政法
第3及び第4課題の合格レポートセット(評価は、両方A)になります。
・第3課題(2016、2017年度共通問題)
行政指導を行っていることを理由に申請に対する処分を留保することは違法となるか、行政手続法および最高裁判例に言及しながら検討しなさい。
・第4課題(2016、2017年度共通問題)
自治体が設置する市民会館の利用を条例に基づき申請したところ、不許可処分を受けた。これに対して、同処分が違法であると主張して権利利益の救済を求めるための法的手段について説明しなさい。ただし、法的手段は複数あることに注意しなさい。
2016年度 行政法 第3課題
行政指導を行っていることを理由に申請に対する処分を留保することは違法
となるか、行政手続法および最高裁判例に言及しながら検討しなさい。
行政指導とは、相手方の任意の協力に期待して、行政が強制力なしに(法的義
務を課さずに)一定の行動を求める「非権力的」な行政活動をいう。これは公
権力の行使であって、相手方に法的義務を課す「権力的」な行政処分と対置さ
れ、行政手続法も行政指導とは「行政機関が…特定の者に一定の作為又は不作
為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないもの(行
手2条6項)」として両者(行政指導と行政処分)が異なることを明文化してい
る。
行政指導は、行政処分と異なり行使にあたって法的根拠を要せず(つまり、
侵害留保説が妥当しない)、これ故、行政処分よりも機動的・柔軟に相手方に勧
告や助言といった行政指導を行うことができる。例えば、相手方の申請に対し
て行政処分たる不許可処分に代えて申請取下げを促す指導をするといったこと
が考えられる。
さて、行政指導について概観したが、これを理由に申請に対する処分を留保
すると違法となるか...