胃切除後(主に幽門側胃切除)の合併症と再建法

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    資料紹介

    <再建法と合併症>
    ○胃切除後骨病変
    Vit.Dを含む乳製品の摂取低下(下痢を生じやすいため)、Ca吸収部位である、十二指腸、空腸上部のbypassにより、骨代謝障害(骨軟化症、骨粗鬆症)を生じる。
    発生頻度はBillroth ?法やRoux-en Y法で高率。
    胃癌術後、長期生存例の増加により、問題点として注目される可能性がある。

    ○輸入脚症候群    
    Billroth ?法やRoux-en Y法で形成された輸入脚が原因で種々の障害をきたした病態を言う。輸入脚の圧迫、閉塞により胆汁、膵液が貯留し上腹部痛、胆汁性嘔吐をきたしたり、癒着、ねじれにより部分的閉鎖が起こり、腹部膨満、吸収不良を来たす。
    Billroth ?法ではBraun吻合を形成する、Billroth ?法を優先するなどにより予防する。

    ○逆流性残胃炎、食道炎
    胃切除後、噴門、幽門機能の喪失により、胆汁、膵液などの十二指腸内容の逆流により起こる。治療は粘膜保護剤、蛋白分解酵素阻害剤などにより、保存的に行う。

    ○吻合部狭窄、通過障害
    主に残胃との吻合部周囲が狭窄し、食物の通過障害が起こる。対応は内視鏡下、透視下にballoonによる拡張術を施行しなければならないことが多く、入院が必要で患者への苦痛も大きい。

    <最近の報告と考察>

    ○Billroth ?法による再建において、器械吻合と手縫い吻合を比較した研究では、機械吻合の方が手術時間は短く、術後の合併症については両者に有意な差は見られないとされている。
    この研究は187人を対象としたprospectiveなものであったが、縫合不全は器械吻合で1.1%、手縫い吻合で2.1%に認められた。吻合部狭窄は機械吻合で4.3%、手縫い縫合で6.3%に認められた。
    Hori S, Ochiai T, Gunji Y, Hayashi H, Suzuki T. A prospective randomized trial of hand-sutured versus mechanically stapled anastomoses for gastroduodenostomy after distal gastrectomy.Gastric Cancer. 2004;7(1):24-30.

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    【胃切除後(主に幽門側胃切除)の合併症と再建法】
    <主な術後合併症>
    ダンピング症候群
    貧血(鉄欠乏性、巨赤芽球性)
    胃切除後胆石症
    吻合部潰瘍
    胃切除後骨病変
    輸入脚症候群
    逆流性残胃炎、食道炎
    吻合部狭窄、通過障害
    以上のうち、再建法により合併頻度に差がでる、あるいは防止できる可能性があるのは⑤⑥⑦⑧であると考えられる。
    <主な再建法>
    Billroth Ⅰ法(Gastroduodenostomy)
    Billroth Ⅱ法(Gastrojejunostomy)
    Roux-en Y法
    空腸間置法
    <再建法と合併症>
    ○胃切除後骨病変
    Vit.Dを含む乳製品の摂取低下(下痢を生じやすいため)、Ca吸収部位である、十二指腸、空腸上部のbypassにより、骨代謝障害(骨軟化症、骨粗鬆症)を生じる。
    発生頻度はBillroth Ⅱ法やRoux-en Y法で高率。
    胃癌術後、長期生存例の増加により、問題点として注目される可能性がある。
    ○輸入脚症候群    
    Billroth Ⅱ法やRoux-en Y法で形成された輸入脚が原因で種々の障害をきたした病態を言う。輸入脚の圧迫、閉塞により胆汁、膵液...

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