「中学校国語科」と「高等学校国語科(特に「国語総合」を中心に)」の「目標と内容」について今日的動向なども踏まえて解説しなさい。
「中学校国語科」と「高等学校国語科(特に「国語総合」を中心に)」の「目標と内容」について今日的動向なども踏まえて解説しなさい。
中学校は、義務教育の最終段階として、社会参加能力の育成を重視する。例えば、文学作品の三大教材といわれ、ほぼ全教科書会社の共通教材となっている「少年の日の思いで」(ヘルマン=ヘッセ)、「走れメロス」(太宰治)、「故郷」(魯迅)は、いずれも成人対象の、いわゆる一般的な文学作品を教材化したものであって、思春期向けに書かれたものではない。説明的文章教材においては、共通教材はないが、内容的に同様である。また古典の本格的な学習が始まるのも中学校国語化である。書くことの学習内容、聞く・話すことの学習内容についても、ほぼ同じ傾向を示している。
中学校の国語の目標として、次のことが示されている。「国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し、伝え合う力を高めるとともに、思考力や想像力を養い言語感覚を豊かにし、国語に対する認識を深め国語を尊重する態度を育てる」この目標は、平成10年の学習指導要領からの変更はない。今後の中学校の国語科教育の在り方を考えるうえで必要なことは、学...