レポートはA評価でした。科目修了試験は、指定教科書以外の文献も用いながら、どの設題番号も1000字~1200字程度でまとめております。試験はA評価でした。
「精神医療の歴史及び精神医学の概念について述べよ。」
小阪憲司によると、ギリシャ時代には、うつ状態をメランコリー(黒胆汁質)、躁状態をマニー(黄胆汁質)と呼び、精神障害を病気とみなし、身体治療とともに、作業・レクリエーション療法的なものが行われ、医療的な対応が行われていたようである。中世になると、ヨーロッパではキリスト教が勢力を得、精神障害についても宗教的・哲学的な考えが中心となり、精神障害者にとっては「中世の暗黒時代」になった。例えば、「精神病は病気ではなく悪魔の仕業、神の罰である」と考えられ、精神障害者は一般社会から迫害された。15世紀ごろから、精神障害者収容所がつくられるようになったが、それは医療の対象ではなく、僧院の経営によるものであった。18世紀になってはじめて精神障害者の治療・管理が司祭から医師の手にゆだねることになったが、その当時はまだ監禁・収容が主体であった。そういうなかで、パリのビセートル病院の院長であったピネルが、1793年に精神障害者を鎖から解放し、精神障害者を病める人間として扱った。この傾向がヨーロッパ各地に広がった。しかし19世紀末から再び精神障害...