硫酸銅の合成

閲覧数21,443
ダウンロード数12
履歴確認

    • ページ数 : 4ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    硫酸銅の合成
    〈目的〉
    硫酸銅は青色で透明な結晶である。農作物の殺菌用、工業的には銅メッキ用、皮革の染色などでいろいろな方面で用いられている。
    本実験では、合成過程の化学反応の理解と基本的操作を取得する。
    〈反応式〉
    Cu+HNO₃→Cu(NO₃)₂+Na₂CO₃→Cu₂(OH)₂CO₃+H₂SO₄→CuSO₄・5H₂O
    銅  濃硝酸  硝酸銅  炭酸ナトリウム 塩基性炭酸銅   硫酸    硫酸銅
                            
    1、硝酸銅の合成
    〈実験操作〉
    銅(粒状)約2g(今回は1.9912g)が入ったコニカルビーカーに、ドラフト内で濃硝酸10molをメスシリンダーを用いて静かに加える。銅に濃硝酸を注ぐとき激しく反応して、褐色の二酸化窒素(NO₂)が発生する。
    反応が緩やかになれば、コニカルビーカーに時計皿で蓋をして、ドラフト内の加熱装置で加熱する。
    銅がほとんど溶解し褐色の二酸化窒素が発生しなくなったら、コニカルビーカーを実験台に移し、全量が80mlになるように蒸留水を加える。
    静置して未反応の銅や沈殿(不溶性物質)が容器の底に沈んだら、上澄み液だけを80mlコニカルビーカーに移すと、硝酸銅(Cu(NO₃)₂)の青色の液体が得られる。このように、沈殿と母液(沈殿と共存する元の液体)を速やかに分離する操作をデカンテーションという。
    〈実験結果〉
    主に実験操作の通りに反応した。ドラフト内の加熱装置で加熱している時はビーカーの中から褐色の液体がもくもくとあがり、ビーカー内にその気体が充満していた。この気体は二酸化窒素で有毒であり、この気体の上に手をかざしておくと手が黄色くなる。ビーカー内の液体は加熱をしている間、沸騰している水のように気泡が出ていた。 熱し終わると液体はとてもきれいな澄んだ青色だった。その後蒸留水を入れたが、色が薄くなるだけだった。デカンテーションはピペットを使うと上手に行うことが出来た。
    デカンテーションをした後の液は沈殿も無くきれいな青色をしていた。
    〈考察〉銅と硝酸から硝酸銅が生成する反応の反応式を考える
    銅と硝酸を生成すると硝酸銅以外に水と二酸化窒素を生成する。反応式は・・・
    Cu+4HNO₃→Cu(NO₃)₂+2H₂O+2NO₂ 
    このとき、NO₂は気体になって上に上がる。
    2、塩基性炭酸銅の合成
    〈実験操作〉
    300ml コニカルビーカーに硝酸銅の溶液を移し時計皿で蓋をしてから、ゆるやかに沸騰するまで加熱する。
    緩やかに沸騰した硝酸銅の溶液に、炭酸ナトリウム水溶液(2mol-Na₂CO₃)をピペットを用いて少しずつ滴下し、塩基性炭酸銅(緑青-Cu₂(OH)₂CO₃)の沈殿を生成させる。炭酸ナトリウム水溶液は塩基性炭酸銅の沈殿が生成しなくなるまで加える(加えすぎないようにすること)。反応に使用した炭酸ナトリウム水溶液の全量を記入する。反応が終了したら、さらに約5分加熱を続ける。
    5分たったら加熱を止め、塩基性炭酸銅の沈殿がコニカルビーカーの底に沈むように、机上で放冷・静置する。
    沈殿が容器の底に沈んだら、デカンテーションで上澄み液だけを300ml ビーカーに移す。
    残った沈殿に約100mlの蒸留水を加えてかき混ぜたのち静置し、再びデカンテーションで上澄み液だけを300ml ビーカーに移す。このデカンテーションによる沈殿の洗浄をもう一度行う。300ml ビーカーの上澄み液は、廃液入れに回収するので、流しには捨てない。
    コニカルビーカーの沈殿に約100mlの蒸留水を加えて時計皿で蓋をして、次回の実験まで

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    硫酸銅の合成
    〈目的〉
    硫酸銅は青色で透明な結晶である。農作物の殺菌用、工業的には銅メッキ用、皮革の染色などでいろいろな方面で用いられている。
    本実験では、合成過程の化学反応の理解と基本的操作を取得する。
    〈反応式〉
    Cu+HNO₃→Cu(NO₃)₂+Na₂CO₃→Cu₂(OH)₂CO₃+H₂SO₄→CuSO₄・5H₂O
    銅  濃硝酸  硝酸銅  炭酸ナトリウム 塩基性炭酸銅   硫酸    硫酸銅
                            
    1、硝酸銅の合成
    〈実験操作〉
    銅(粒状)約2g(今回は1.9912g)が入ったコニカルビーカーに、ドラフト内で濃硝酸10molをメスシリンダーを用いて静かに加える。銅に濃硝酸を注ぐとき激しく反応して、褐色の二酸化窒素(NO₂)が発生する。
    反応が緩やかになれば、コニカルビーカーに時計皿で蓋をして、ドラフト内の加熱装置で加熱する。
    銅がほとんど溶解し褐色の二酸化窒素が発生しなくなったら、コニカルビーカーを実験台に移し、全量が80mlになるように蒸留水を加える。
    静置して未反応の銅や沈殿(不溶性物質)が容器の底に沈んだら、上澄み液だけを80m...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。