平成27-28年 イギリス文学史Ⅰ 分冊1 合格リポートです。
日大通信 H27-28 イギリス文学史1 分冊Ⅰ
中世英文学において最も重要な詩人3人と散文作家2人を取り上げて、彼らの生涯、代表作および文学史上の重要性を論述しなさい。
中世英文学において最も重要な詩人、散文作家は、ラングランド、チョーサー、ガワー、マロリー、キャクストンの5人である。
ラングランドは「農夫ピアズの夢」の作者と言われており、イングランド中西部に生まれ、モルヴァンの修道院で教育を受けた下級僧侶であった。「農夫ピアズの夢」に作者自身が書いているところによると、ロンドンのコーンヒルに妻や娘たちと一緒に住んで、大変貧しかったので、乞食坊主をして歩き、葬式に弔歌をうたって貧しく暮らしていたが、自尊心が強く、貴族や金持ちには決して頭を下げなかったといわれている。「農夫ピアズの夢」は3種類のテキストが現存し、それぞれ1362、77、93年頃に書かれたと推定される。乱世における人間の魂の救済が作品の主題となっており、作者は、神聖な労働と忍苦の生活をたたえ、キリスト教の真の教えや、キリスト受肉の意義などを、農夫ピアズに託して説いている。その文体は、当時としては珍しく、極めて平易な...