参考文献:『教職入門 専門性の探求・実践力の練成』青木秀雄編著,明星大学出版部,2014年
1 / 6
20 × 20
1.教員養成の歴史について
前近代の日本には全国にわたる体系的な公
教育制度は存在しなかったが、明治維新後、
1872年に学制が制定され、すべての国民
に対して近代的な学校が開設された。それに
伴い、新しい教育方法を身に付けた教員が必
要となり、教員養成を目的とする師範学校が
設置されるなど、教員養成についても次第に
整 備 拡 充 さ れ て い っ た 。
戦前においては、師範学校を中心とした目
的性の教員養成機関があり、特に小学校の教
員養成を中心にその役割を果たしてきたが、
教員の専門性や師範タイプと呼ばれる性格の
問題が指摘されるようになった。
そして戦後には、戦時中から行われていた
教員養成の高度化をさらに発展させていく形
で模索されようとした。しかし、教育刷新委
員会での議論中に現れた師範学校制度に対す
る否定的視線は、そうした方向での教員養成
制度改革を大きく軌道修正させ、結果、大学
2 / 6
20 × 20
における教員養成、教員養成の開放制、教職
の専門職性という3つの原則を核とした教員...