参考文献:『教育行政と学校経営』樋口修資編著、明星大学出版部、2012年
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1.教育行政とは、近代国家における公教育
制度発展の中で生まれた観念と制度のことで
ある。具体的には、教育政策として議会によ
って定立された法に則って、行政主体である
国又は地方公共団体が教育政策を具体的に実
現する作用のことを指し、国民の全てに対し
て、教育の機会均等を確保し、一定の教育水
準を維持することにより、知的・道徳的にも
優れた、たくましい人間の育成を図り、社会
の持続的発展を図ることを目的としている。
教育行政の基本構造を個別に見ていくと、
教育行政の主体は国と地方公共団体であり、
その客体は行政権の行使の相手方たる自然人
及び法人が該当する。さらに、一定の教育上
の政策目的をもって、公共の見地から必要と
される政策課題を具体化するための作用とし
て、①規制作用②助成作用③実施作用の三つ
の態様があるが、実施作用に属するものが中
心となっている。ここには、教育行政の性格
が「規制監督行政」という性格よりも、「給
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付行政」、「助長行政」の性格が強いものであ
ることが影響...