社会福祉概論 課題2
「社会福祉の発展過程と今日の動向」
*慈善事業 1874年(明治7)、わが国で初めて成立した貧困者に対する一般的救済法である「恤救規則」が制定された。この制度では、無告の窮民に限って、やむを得ず公費で救済するという制限的救済であった。厳格な制限主義のため救済される者はごくわずかであった。そして町には浮浪児などが増えていった。このような状況から非行少年の教育保護を目的として、1900年(明治33)に「感化法」が制定された。「感化法」で制定された「感化院」は日本で法律上位置づけられた最初の社会事業施設であった。
*民間慈善事業
一方で、立ち遅れる公的救済を代替するかたちで民間の慈善事業が発展していった。その代表的なものとして、キリスト教徒であり孤児救済の先駆者であった石井十字が1887年(明治20)設立した「岡山孤児院」があげられる。1891年(明治24)に愛知県北西部から岐阜県下にかけて大きな被害をもたらした濃尾地震が起きた。その際も、石井十字はすぐに被災地に駆けつけ、博愛社の小橋勝之助の協力を得て、震災孤児院を開設し孤児らを収容した。また、この濃尾地震の被災児...